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AIが「眼底画像」を診断、眼科医向けの診断支援サービスが登場
自治医科大学発のAIベンチャーが、ディープラーニングを活用し、網膜の画像を診断するクラウドサービスを開始。眼科医の診断速度や精度を向上させる狙い。
自治医科大学発のAIベンチャー・DeepEyeVisionは2月5日、ディープラーニングを活用し、網膜などを映した「眼底画像」を診断するクラウドサービスの提供を、医療機関向けに始めた。AIを活用することで、眼科診断の速度や精度向上をサポートする。
医療機関が、診察時に撮影した眼底画像をアップロードすると、AIが画像を解析。DeepEyeVisionと提携する、眼底画像の診断を行える読影医がAIの解析結果を確認し、診断結果を医療機関に送る。診断支援サービスを使うことで、医療機関は読影医を雇う手間が省け、人件費も削減できるとしている。
AIの学習データには、自治医大が持つ臨床画像を活用した。糖尿病網膜症の病期を分類する技術や、角膜が円すい状に突出する「円すい角膜」を診断する技術などを用いて、精度の高い病名予測を実現したという。
同サービスは、自治医科大学附属病院 健診センターなどが先行導入している。DeepEyeVisionは「高齢者を始め、多くの人々が高度な眼科医療を受けられるようになることを期待する」としている。
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