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米司法省、中国軍人4人をEquifax不正侵入で提訴 FBIが指名手配
米国民の約半数に当たる約1億5000万人の個人情報が流出した2017年のEquifax事件の容疑者として、4人の中国軍軍人が米国で起訴された。バー司法長官はこの事件を「中国軍部隊による組織化された強盗」と呼んだ。
米司法省(DOJ)は2月10日(現地時間)、2017年に起きた米信用情報機関大手Equifaxへの不正侵入や個人情報窃盗の罪で、中国人民解放軍の軍人4人を米アトランタ州の連邦大陪審が起訴したと発表した。
この事件では、Equifaxの顧客1億4550万人の個人情報が流出した。Webサイトに存在した「Apache Struts」の脆弱性を悪用して侵入したことが調査で判明した。当時のCEOはこの事件で引責辞任している。
ウィリアム・バー司法長官は発表文で「これは、米国民の個人情報をねらった意図的で全面的な侵入だった。われわれは中国政府に対し、米国に対し繰り返し侵入を試みているハッカーを摘発できることを思い起こさせる」と語った。「要するに、これは米国民のほぼ半数の機密情報を盗む、中国軍部隊による組織化された非常に厚かましい強盗行為だ」
米連邦捜査局(FBI)が公開した指名手配書によると、この4人は中国共産党直属の軍隊である中国人民解放軍の第54研究所の軍人。2017年5月からEquifaxのコンピュータへの不正アクセスを共謀したという。
FBIのデビッド・ボウディッチ副長官は記者会見で、容疑者の所在は不明で、拘束することは少なくとも現在はできないと語った。
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