気象データから生成「サイバー和菓子」、電通など開発 3Dプリンタで印刷、風速・気圧・気温を反映
電通が、気象データを基に3Dプリンタで成形する和菓子「サイバー和菓子」を発表。独自のアルゴリズムを活用し、風速・気圧・気温などのデータから和菓子の形や色をデザイン。3Dプリンタで出力する。
電通は2月17日、過去や未来の気象データを基に、3Dプリンタで成形した和菓子「サイバー和菓子」を発表した。独自のアルゴリズムを活用して、風速・気圧・気温などのデータから和菓子の形や色をデザインし、3Dプリンタ(フードプリンタ)で出力する。2月29日〜3月29日まで、六本木ヒルズのレストラン「THE MOON」で提供する。
【追記:2020年2月28日午後12時15分 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月29日から森ビルが臨時休館となり、サイバー和菓子の提供も延期となりました。】
風速の強弱、気圧や温度の高低差などのデータを用いる。風速が強いほど和菓子表面の凹凸が細かく、気圧が高いほどサイズが高くなり、気温の高低で色が変化するという。アルゴリズムによって導いたデザインを基に、3Dプリンタで和菓子を作り出す。
レストランでは「高気圧」と「低気圧」の2種類を販売。いずれも抹茶と最中付きで、価格は3000円(税別)。20日以降、電話予約を受け付ける(完全予約制)。
制作背景について、電通は「気候変動や都市生活により、かつてのように四季を感じられなくなる今、和菓子を通じて、当日の東京の『空』を見て、食べて、楽しんでほしい」としている。
電通の社内プロジェクト「OPEN MEALS」(オープンミールズ)が企画した。電通の他、武蔵エンジニアリング、京都造形芸術大学が3Dプリンタの開発や外装デザインを担当。島津ビジネスシステムズが気象データの活用をサポートし、さくらインターネットがデータを取り扱う環境を構築した。
今後は3Dプリンタの成形技術を検証し、別のプロジェクトに応用する他、さまざまなパートナー企業と新しい技術を確立し、プロジェクトを推進するとしている。
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