スマートウォッチ、バンドもタッチディスプレイに ドイツチーム「Watch+Strap」発表:Innovative Tech
腕時計の盤面、バンドのどちらもタッチディスプレイにするとどういうことが可能になるか。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
ドイツのドレスデン工科大学による研究チームが開発し、2020年1月に発表した「Watch+Strap」は、タッチ機能とディスプレイを組み込んだ腕時計バンドと、スマートウォッチを統合したシステムだ。バンドにも情報を表示、操作できる機能を加えたことにより、表示する情報量を増やし、タッチ操作を拡張する。
既存の腕時計もしくはスマートウォッチに合わせて着脱可能なため、手持ちの時計をカスタマイズできる。
スマートウォッチのディスプレイが1面、腕時計バンドディスプレイが2面、 計3面のマルチディスプレイとして機能する。手前に向いたディスプレイは自然な視線角度に近く見やすいのも特徴。腕をひねって見る必要がないため、自転車乗車時などのモニター確認に最適だ。
表示だけでなくタッチパネルでインタラクティブな操作も可能。インタフェースも大きく変わる。スマートフォンのように一度に多くのアプリケーションの表示、音楽リストの表示、動画を大きく表示、受信したメッセージを一度に表示と、スマートウォッチの課題である情報量の少なさを緩和し、情報を一目で分かりやすくする。
タッチ操作も、より多くのタッチ操作に加え、縦長の特徴を生かした操作が可能になる。両サイドの腕時計バンドディスプレイを2本指でつまむマルチタッチジェスチャーは、このシステムならではの操作だ。
また、デバイスを外して机の上に置くと、株価チャートやパノラマ映像を横長で提示できる。
外側に向いたディスプレイは直接見えないので、使い方を工夫しなければならない。見えなくても操作可能なボリューム調整やホームボタンでの活用、公共交通機関や電子マネー使用時によるタッチ機能の拡張、パブリックディスプレイとして広告掲載などが考えられる。
プロトタイプのディスプレイは、電子ペーパーの電気泳動方式ディスプレイやフルカラーOLEDディスプレイを用いて試作された。
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