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振動、圧力、温冷、風を同時に体感 ウェアラブル端末「Haptiple」、豊田中研が開発:Innovative Tech
体に装着してさまざまな感覚を受けられるウェアラブル装置が開発された。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
豊田中央研究所の研究チームが開発し2019年11月に発表した「Haptiple」は、身体のいろいろな部位に対して、振動覚、圧覚、温冷覚・風覚を同時に与えられるウェアラブルデバイスだ。
デバイスは手首と足首、胴体に装着し、さまざまなインタラクションと連動した触覚を作り出す。
システムは、振動覚、圧覚、温冷覚・風覚を単一に制御できるように、マクロコントローラーが各モジュールに組み込まれている。計算するコンピュータとゲートウェイ、各モジュールをWi-Fiで接続し、データを送受信する。有線コードはない。
振動は、あらかじめ保存している低周波の音響信号を、触覚信号として再生することで生み出す。圧覚はサーボモーターを用い、強さを制御して生成する。 温冷覚はペルチェ素子を用い、モータードライバーで制御する。風覚は、小型ドローンモーターを使用して作り出す。
モジュールは、他のモジュールやスマートフォンとデータを送受信できるため、魔法のつえや水鉄砲、シャワーノズルなどに取り付け、相手に対し炎や氷の魔法をかける、水を射出する、体を洗うといったインタラクションもできる。
動画では、ウオータースライダーの体験やVRとの連動、さらに触覚体験を共有する応用なども紹介される。
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