N高から初の東大・京大合格者が誕生 ドワンゴ夏野社長は「進学校のよう」と手応え
N高が2019年度の大学合格実績を発表。同校として初めて、東京大学に1人、京都大学に3人が合格した。ドワンゴの夏野剛社長は「東大合格者が出てうれしい」「まるで進学校のようだ」と手応えを語った。
角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校「N高等学校」(N高)は3月18日、2019年度の大学合格実績を発表した。N高が卒業生を輩出するのは2度目で、同校として初めて、東京大学に1人、京都大学に3人が合格した。ドワンゴの夏野剛社長は「東大の合格者を出すのは全国の高校にとって1つの指標。合格者が出てうれしい」「まるで進学校のようだ」と手応えを語った。
19年度の卒業生は約3000人で、大学進学率は14.6%、現役合格率は82.3%。東大合格者は18年度の卒業生だが、浪人生支援のトライアルとして、N高の担当者がネットを介して勉強法や学習計画の立案を継続的にサポートしたという。この他、筑波大学に4人、慶應義塾大学に13人、早稲田大学に8人、私立大医学部に3人が合格した。
N高は16年に開校。時間・場所を問わずWeb上で授業を受けられ、3年間で高卒資格を取得できるのが特徴。主な授業はオンライン学習アプリ「N予備校」上で展開し、大学受験用の講座の他、中学レベルの知識を復習できる講座など、生徒のレベルに応じたカリキュラムを用意している。難関大学志望者向けに、Web上での個別面談などを通して勉強法をアドバイスする施策「ネット特進コーチング」も実施している。
東大に合格した生徒によると、トライアルとして卒業後もネット特進コーチングを利用したことが良い結果につながったといい、N高が公開した動画の中で「自分を律して一人で勉強するのはなかなか難しく、モチベーションの維持も大変だった。定期的に管理してもらえて助かった」と語った。
大学は受験せず、スポーツなどの専門分野に取り組みながら、オンライン授業を通じて高校卒業資格の取得を目指す生徒もいる。19年度はフィギュアスケート選手の川畑和愛さん、囲碁棋士の上野愛咲美さんらが卒業した。
夏野社長は「大学進学だけでなく、オリンピックも含めて、生徒が本当に目指したいものを邪魔せず、高校卒業に必要な資格と知識を提供できるのがN高の特徴。今後もその環境を提供していきたい」と意気込んだ。
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