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5Gは今すぐ契約するべきか 出揃った3キャリアのサービスを比較(2/2 ページ)

3月末からサービスが始まる、既存の4G回線に比べて「高速」「低遅延」などが売りといわれる5G。本記事では、各社の発表内容をおさらいしつつ、5Gの現状での魅力を論じてみたい。

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auエリアマップソフトバンクエリアマップ au(左)とソフトバンク(右)のエリアマップから東京駅近郊を抜粋 auはピンクの丸が4月末まで、黄色の丸が今夏以降に5G対応予定。ソフトバンクは紫がかったピンクが4月末まで、黄色いエリアが今夏以降に5G対応予定

 例として、auとソフトバンクのエリアマップを見てみよう。auはピンク色の丸のように見える場所が5Gエリア(4月末時点)で、ソフトバンクも紫がかったピンクが4月末時点、黄色が今夏以降にエリア化予定の場所と、5Gが利用できる場所はかなり限られている。

 ドコモは5Gのエリアマップについては公開しておらず、スタジアム・オリンピック関連施設や交通・観光・商業施設、ドコモショップなど、5G基地局を設置した約150カ所の施設を紹介している。

 もちろん、5G対応スマートフォンは従来の4Gのエリアでも利用できるため「買い換えたらエリアが狭くて全く繋がらない」といったことはないが、5Gの真の実力を体感できるのは、まだ先になると考えておくといいだろう。

 このようにエリアが狭いため、5Gを契約したとしてもほとんどのシーンでは当面4Gでの通信になる。4Gは5Gに比べ、帯域幅が狭いことから5Gほどの大容量通信はさばけない。各社が完全な容量無制限のプランを提供しないのは、5Gエリアの狭さが理由かもしれない。

5G対応スマホのほとんどは高スペック高価格 しかし「iPhone」は不在


ドコモの5G対応機種 いずれもAndroidのハイエンドモデル

 5Gを利用するには、対応したスマートフォンもしくはモバイルルーターが必要だ。

 NTTドコモは東京オリンピックモデルを除くと6機種(+モバイルルーター1機種)で、auは7機種、ソフトバンクは4機種を発表したが、その中でも、3月末の5Gサービス開始時に発売するのは各社2機種ほど。

 その他の機種は4月から今夏にかけて順次販売する予定だが、現状は選択肢がかなり限られている。

 また、今回発表になった機種の多くは販売価格が10万円前後で、Androidスマートフォンのハイエンドモデルが中心だ(auとソフトバンクはミドルレンジの5Gスマホも一部取り扱う)。

 現在の日本市場では3〜4万円のエントリーモデルが主な売れ筋で、5G対応という特徴があるとはいえ、ハイエンドで高価格のAndroidスマホを選ぶユーザーがどれだけいるのかは読みにくい。むしろ、それなりにコストもかかる大容量プランを積極的に使うユーザーともなれば、5G対応のiPhoneを待ちたいという声も多いのではないだろうか。

 積極的に5Gを試してみたいと考えるアーリーアダプターや、ちょうど買い替え時期のハイエンドモデル志向のユーザー以外を考えると、現在のところ本体価格を大幅に値引いて販売する施策もない(なおドコモは最大2万2000円を割り引く施策を行っている)ため、当面は5Gユーザー数の増加も時間がかかると考えられる。

 5G対応iPhoneの発売があればある程度普及は見込めそうだが、それも新型コロナウイルス感染症で中国の工場などサプライチェーンに影響が出ていることを考えると、いつ発表があるのかは先行き不透明な状況だ。

5G移行はこれまでより楽だがしばらくは様子見が吉

 サービス発表直後のため当たり前といえば当たり前だが、日本国内の5Gサービスは、開始時点での提供エリアや機種ラインアップを見るとまだまだ限定的だ。エリアの拡大や対応機種の拡充には時間がかかるだろう。

 しかし過去を振り返ると、2Gから3Gへの移行時には互換がないために利用可能エリアに悩まされ、4Gへの移行時にはスマートフォンのスペックやOSが成熟していなかったという悩みがあったが、5Gへの移行ではこうしたことに困ることはなさそうだ。

 そういう意味では、5G対応基地局数や対応機種さえ増えれば、これまでよりも移行しやすい環境だとはいえる。

 現時点で5Gに飛びつく必要はないが、自分の行動圏が5Gエリアに入ったり、好みの5G対応機種が出たりしたタイミングで移行するのが良さそうだ。

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