ソフトバンク、商用5Gサービスを3月27日に開始 榛葉副社長が楽天との差を強調 「当社の基地局は23万局。4000局というレベルではない」(1/2 ページ)
ソフトバンクが5G通信の商用サービス「SoftBank 5G」を3月27日に始めると発表。5G対応スマートフォン4機種も同日以降に順次発売する。同社の榛葉淳副社長は記者発表会で、新たな競合となる楽天との通信インフラの差を強調した。
ソフトバンクは3月5日、5G通信の商用サービス「SoftBank 5G」を27日に始めると発表した。5G対応スマートフォン4機種も同日以降に順次発売する。当初は5Gスマホに特化した料金プランは設けず、既存のプランに追加できるオプションとして「5G基本料」(月額1000円)を設定。契約したユーザーに、5G 通信によってAR/VR映像などのコンテンツ群を配信するサービス「5G LAB」などを提供する。
当面は「メリハリプラン」を5G向けに提供
料金プランを新設しない理由は、5Gサービスの開始当初は対象エリアが限られ、顧客に画一的なサービスを提供できないため。5G対応基地局の整備が完了し、日本全国に5G通信を提供できる体制が整った段階で、容量無制限の“アンリミテッド”プランの導入など今後の展開を検討するという。
体制が整うまでは、3月12日から提供する新たな大容量プラン「メリハリプラン」を5G向けのプランとして位置付ける。月間50GBまでデータ容量を使える他、一部の動画配信サービスと主要SNSの通信量をカウントしないプランで、月々のデータ使用量が2GB以下だった場合は月額料金を自動的に1500円減額する。5Gサービスの開始後は、5G LABの一部サービスもカウントフリーの対象に加える。
「当社の基地局は23万局」
記者発表会に登壇した、ソフトバンク副社長執行役員兼COO(最高執行責任者)の榛葉淳氏は「高速、大容量、低遅延、他接続。5G時代は、あらゆるものがつながる新時代だ。まず第一歩として、エンターテインメントサービスを体験して頂きたい」と語った。
また榛葉氏は、楽天が3月3日にMNOサービスの詳細を発表したことに言及し、「5Gは加速度的にトラフィックが増加するが、(ソフトバンクが)サービスを実現できるのはネットワークのインフラがしっかりしているからだ。(プレゼンテーションで)言うだけではご満足いただける形にならない」と辛口なコメント。
「当社の基地局は23万局ある。4000や8000、1万や数万というレベルではない。これにプライオリティを付けて、5Gの基地局として展開する」(榛葉氏)と強調し、楽天(3月時点で約4400局)とのカバー率の差もアピールした。
関連記事
- ソフトバンク、大容量プランを刷新 基本は動画・SNS使い放題 通信量が少ない月は1500円引き
ソフトバンクが携帯電話の新料金プラン「メリハリプラン」「ミニフィットプラン」を発表した。メリハリプランはヘビーユーザー向けで、通信量が少ない月は月額料金を1500円割り引く。ミニフィットプランは、通信量に応じて3段階の料金体系を適用する。 - 「技術者は全員知っていた」「基地局整備は簡単じゃない」 ソフトバンク宮内社長、楽天の参入遅れにチクリ
ソフトバンクの宮内謙社長が決算発表会に登壇。10月にMNO事業に本格参入する予定だった楽天の基地局整備が遅れている件に触れ、「技術者は全員知っていた」「基地局整備は簡単じゃない」とコメントした。 - 楽天モバイル、月額2980円で通話・データ無制限 料金プランは1つのみ、4月8日にサービスイン
楽天が4月8日に始める携帯キャリアサービスの料金プランを発表した。料金は月額2980円で無制限のデータ通信を行える「Rakuten UN-LIMIT」の一つのみ。300万人を対象に1年目は無償で通信サービス提供する。 - 楽天モバイル、地方は実質“月額2980円で2GB” 今後のエリア拡大計画は
楽天モバイルは、自社回線のエリア内なら月額約3000円でデータ通信無制限のプランを発表したが、地方には楽天回線が整備されておらず、実質的には月間2GBの上限がある。楽天はエリア拡大に積極的な姿勢を見せており、人工衛星を使った通信システムも視野に準備を進める。 - 楽天モバイル、「UN-LIMIT」以外の楽天回線プランも存在? 一部ユーザー向けに夏ごろ案内
楽天モバイルのMVNOを契約しているユーザーの一部は、同社のMNOプランである「UN-LIMIT」以外のプランを今後選べるようになることが分かった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.