「超歌舞伎」無観客の公演を生配信 ディープラーニングを使った新たな演出も
ドワンゴが毎年恒例のイベント「超歌舞伎」を無観客でライブ配信する。NTTのディープラーニング技術を用いた新たな演出も採り入れる。
ドワンゴは3月25日、オンラインイベント「ニコニコネット超会議2020」(4月12〜19日)で生放送する「超歌舞伎」の詳細を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、18日と19日に無観客の公演を無料で生配信する。AI技術を活用し、主演の中村獅童さんが視聴者のコメントを身にまとう演出も採り入れる。
超歌舞伎は、伝統芸能の歌舞伎とテクノロジーを融合したイベント。今年は「御伽草紙戀姿絵」(おとぎぞうしこいのすがたえ)と題する演目で、CGキャラクターの初音ミクが初の悪役に挑戦し、主演の中村獅童さんが1人2役を務める。
NTTの映像通信技術「Kirari!」を使った演出として、ディープラーニングを用いた「スタイル変換技術」を活用。ある画像の特徴をAIで捉え、他の画像の特徴と入れ替えられる技術という。例えばちぎり絵の画像と炎の画像を組み合わせると、ちぎり絵の形のまま炎を想起させるようなデザインの画像を合成できる。この技術を応用し、ニコニコ生放送のユーザーコメントを中村獅童さん演じる源頼光にまとわせる──といった演出が可能になるとしている。
超歌舞伎では定番の演出になった「分身の術」も、クライマックスシーンで活用。演者の動きをリアルタイムで映像化し、本人と並ぶようにスクリーンに投影する。
超歌舞伎は今年で5回目。公演は、4月18日午後2時と19日午後6時に、ニコニコ生放送で配信する。19日の公演では、無観客を生かしたカメラワークやAR技術の演出を加えた「ネットスペシャル・エディション」を放送する。
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