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ソフトバンクGも出資の英OneWebが新型コロナで破産申請 74の衛星を残して

世界中の人々にネット接続を提供する低軌道衛星通信サービスを目指してきた英OneWebが破産申請した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関連する経済的影響で新たな資金調達ができなかったため。同社にはソフトバンクGが約20億ドル出資しており、筆頭株主だ。

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 衛星通信を手掛ける英新興企業OneWebは3月27日(現地時間)、ニューヨーク州南部地区連邦破産裁判所に破産法第11章(チャプター11)に基づく破産保護を申請したと発表した。

 世界中のすべての人々にネット接続を提供することをミッションとし、衛星打ち上げや地上局の開設を進めてきたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関連する経済的影響と市場の混乱のため、新たな資金調達ができなかったとしている。

 同社にはソフトバンクグループ(以下「ソフトバンクG」)がこれまで約20億ドル投資し、同社の株式の約5割を保有しているが、新たな支援はしない判断とみられる。

 OneWebは2012年創業のロンドンに拠点を置く非公開企業(LinkedInでは米バージニア州が本社となっているが、プレスリリースはロンドン発)。ソフトバンクGの孫正義社長は2017年、「1兆の回線がリアルタイムでつながる世界を作りたい」としてOneWebの低軌道衛星通信サービスの取り組みを紹介した。

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SoftBank World 2017で構想を説明するOneWebのグレッグ・ワイラー会長

 OneWebがこれまでに打ち上げた衛星は74基で、今も軌道上を周回している。ソフトバンクの2019年のプレスリリースによると、約650基の衛星で構成するコンステレーションを構築し、2021年には商用サービスを開始する計画だった。

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 同社はチャプター11のプロセスの下、「会社の価値を最大化するために事業の売却を追求する予定」としている。

 低軌道衛星通信サービスは、イーロン・マスク氏率いるSpaceXの「Starlink」や米Amazon.comの「Project Kuiper」なども開発を進めており、競争の激しい市場になりつつある。

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