若手が先に退出するのは失礼? ウソか真か「Zoomマナー」がネットに出回る
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、企業で広がりつつある「Zoom」。真偽のほどは不明だが、「Zoomミーティングは立場が上の人から順に退出する」などのマナーが生まれていると、Twitterなどで紹介されている。コミュニケーションツールが広がると、その使い方が議論の的になるのは日本社会の“あるある”のようだ。
「Zoomミーティングは立場が上の人から順に退出する」「若手社員は、上司や先輩が退室してからZoomを閉じる」――。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業で広がりつつあるWeb会議ツールの「Zoom」。真偽のほどは不明だが、その使い方を巡って、こんなビジネスマナーが生まれているとTwitterで話題になり始めている。
ネット上に投稿されているZoomマナーはこの他、「クライアントとZoomミーティングをする時は、終了後に先に退出しない方がよい」「不要な音声を拾わないよう、自分が発言しない時はマイクをミュートするのがベター」などがある。
また、あくまでこうしたマナーを風刺する“ネタ”として、あるTwitterユーザーが「Zoomのミーティング画面では左上が上座」とつぶやくと、面白がる人や真に受ける人が出るなど、ちょっとした盛り上がりをみせた。
オフィスで仕事をする際も、「クライアントよりも先に電話を切るのは失礼」「会議や来客時は、上司など目上の人から順に退出する」といったマナーを重んじる人は確かに存在する。退出順などのZoomマナーは、こうしたオフィスでのマナーがWeb上に持ち込まれたものと考えられる。ただし筆者の知る限りでは、これらをZoom提供元が公式に推奨した事実はない。
コミュニケーションツールが広がると、その使い方が議論の的になるのは日本社会の“あるある”のようだ。1月にはビジネスチャットツールの「Slack」で、「『お疲れさまです』などのあいさつは必須」「偉い人に@でメンションしてはいけない」といったマナーが生まれているとTwitterなどで話題になり、議論を呼んでいた。
Web会議やチャットでは、対面でコミュニケーションを取ることができない分、細かな気遣いが求められるのは確かだ。だが、マナーを優先するあまり、「意思疎通を効率化する」という本来の目的から外れてしまっては元も子もないと筆者は考えている。
Zoomには、発言したい旨を参加者に通知できる「バーチャル挙手」機能や、Web会議中の背景として画像を設定できる機能もある。いつかはこれらも「目上の人に使うのは失礼」といったマナーの対象になるのだろうか。せっかく運営側が用意した機能なのだから、細かいことは気にせず、積極的に使えるような世の中であってほしいと思う。
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