保健所かたる詐欺メール、病院狙うランサムウェアーー新型コロナ禍に便乗したサイバー攻撃に腹が立って仕方ない話(4/4 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大に便乗し、個人や企業、病院を狙うサイバー攻撃が増えている。その傾向はどのようなものなのか。海外のセキュリティベンダーの資料などを踏まえながら解説する。
医療機関にはセキュリティ面の支援も必要
またPalo Alto Networksは、新型コロナウイルスに関連した内容を装ったフィッシングメールが入り口になって、医療に関連するカナダ政府の機関や大学がランサムウェア亜種「EDA2」の被害に遭ったことを報告しました。同様の手口を用いて、ランサムウェアではなく情報を盗むマルウェアを感染する手口も観測されており、米国やトルコ、ドイツ、韓国、そして日本といった広範な国々で確認されているそうです。
ただ、Microsoftによると、REvilの攻撃手法はテクノロジー的に目新しいところはありません。脆弱性の修正、認証情報の強化、モニタリングといった基本的な対策を取ることが重要だとしています。Interpolでは、それに加えて、不審なファイルやURLを開かないよう留意し、万一に備えて重要なデータについてはバックアップを取得することなどを推奨しています。
新型コロナウイルス対策の最前線で懸命な努力を続ける医療機関がこうしたサイバー攻撃のターゲットとなる事態には、心からの怒りを覚えます。IT業界では今、一般企業などにテレワーク環境の構築に役立つソリューションを無償提供する動きがありますが、病院に対してはさらに一歩踏み込んだ支援はできないでしょうか。
難しいとは思うのですが、マスクやガウンといった医療行為に必要な物資の供給はそれが得意な企業に任せるとして、同じように医療行為を支えている医療機関のITインフラに関しては、何らかの形でセキュリティ面を支援できる方法を考えるべきではないかと思います。
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