LINE、20年度1Qは最終赤字82億円 広告事業は好調も、「FRIENDS STORE」の営業自粛など響く
LINEが2020年12月期第1四半期(1〜3月)の連結決算を発表。最終損益が82億8300万円の赤字だった。広告事業は好調だったが、グッズ店「LINE FRIENDS STORE」の営業自粛などが響いたとしている。
LINEが4月28日に発表した2020年12月期第1四半期(1〜3月)の連結決算は、売上高が前年同期比6.6%増の589億6800万円、営業損益が43億5600万円の赤字(前年同期は78億9200万円の赤字)、最終損益が82億8300万円の赤字(前年同期は103億1400万円の赤字)だった。
セグメント別の業績は、広告などを含むコア事業の売上高が前年同期比8.1%増の518億5400万円、営業利益は44.8%増の119億7000万円だった。「LINE NEWS」に掲出するインターネット広告が好調に推移し、増収増益に寄与したという。
決済サービス「LINE Pay」などを含む戦略事業の売上高は前年同期比3.5%減の71億1400万円、営業損益は151億9200万円の赤字(前年同期は149億8700万円の赤字)。
LINE Payでは大規模な還元キャンペーンを控えたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、スマートスピーカー「Clova」シリーズやキャラクターグッズを販売する店舗「LINE FRIENDS STORE」の営業を国内外で自粛したため、同店舗の売上高が前年同期比34.8%減の29億円に低下。戦略事業の減収減益に響いたとしている。
今後はLINEプラットフォーム全体の広告効果を高める他、戦略事業におけるフードデリバリーサービスに注力する。LINEは同分野で協業する出前館に計300億円を出資することが決まっており、取引が完了する5月中旬以降は「LINEデリマ」「出前館」のブランドを統合し、共同でマーケティングを行う予定だ。
通期の連結業績予想は、「スマートフォンなどのモバイルアプリケーション市場は国内外で急激に変化しており、不確実性が存在する」として開示しなかった。
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