Amazon決算は2桁台の増収減益 「次四半期の40億ドルの営業利益はすべて新型コロナ対策に費やす」とベゾスCEO
Amazonの1〜3月期決算は売上高は新型コロナの巣ごもり需要で26%増だが、純利益は需要に応えるための雇用増などで29%減だった。ベゾスCEOは第2四半期に見込む40億ドルの営業利益は新型コロナ対策に費やすと語った。
米Amazon.comは4月30日(現地時間)、第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。売上高は前年同期比26%増の754億5200万ドル、純利益は新型コロナウイルス感染症対策での大規模雇用などの影響で、29%減の25億3500万ドル(1株当たり5ドル1セント)だった。売上高はアナリスト予測(731億6100万ドル)を上回り、1株当たり純利益は予測の6ドル25セントを下回った。
ジェフ・ベゾスCEOは発表文で、第2四半期(4〜6月)の営業利益は本来であれば約40億ドル以上が見込めるが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による非常事態につき、その40億ドル以上を新型コロナウイルス関連に費やして、サービスの維持と従業員の安全確保に充てると語った。
「オンラインショッピングからAWS、プライムビデオ、Fire TVまで、Amazonのビジネスは現在の危機的状況での適応性と耐久性をかつてないほど示しているが、今はわれわれが直面した中で最大の困難な時期でもある。(中略)われわれが提供するサービスはかつてないほど重要であり、現場作業を行ってくれる人々は、安全性の確保を期待している。彼らを失望させるつもりはない。この危機はさらに数カ月続くので、ビジネスを維持するにはスキル、謙虚さ、発明そして金がかかる。われわれは大きなスケールで対策を考えているので、あなたがAmazonの株主なら、黙って見ていて欲しい」(ベゾス氏)
クラウドサービスのAWSは売上高が33%増の102億1900万ドルと、初めて100億ドルの大台に乗った。営業利益は38%増の30億7500万ドルだった。
Amaonプライムなどのサブスクリプションサービスは28%増の55億5600万ドル、広告を含む「その他」の売り上げは44%増の39億600万ドルとそれぞれ好調だった。
第2四半期(4〜6月)の見通しは、売上高を前年同期比18〜28%増の750億〜810億ドル、営業利益(損失)をマイナス15億ドル〜15億ドルとした。この予測は新型コロナ対策に充てる約40億ドルを想定したものだ。
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