Microsoft、Webブラウザで動作する開発環境「Visual Studio Codespaces」発表 Visual Studio Onlineを名称変更、料金も値下げ
米Microsoftが、Webブラウザで動作する統合開発環境「Visual Studio Codespaces」を発表。「Microsoft Build 2019」で発表した「Visual Studio Online」の名称を変更し、機能追加、値下げなどの一部変更を行ったもの。現在はパブリックプレビューとなっており、誰でも試すことができる。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「マイクロソフト、Webブラウザで動作する開発環境「Visual Studio Codespaces」発表。Visual Studio Onlineを名称変更、料金も値下げ」(2020年5月7日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Microsoftはこのほど、Webブラウザで動作する統合開発環境「Visual Studio Codespaces」を発表しました。
1年前、2019年5月に行われたMicrosoft Build 2019で発表した「Visual Studio Online」の名称を変更し、機能追加、値下げなどの一部変更を行ったものです。
Visual Studio Codespacesは、Visual Studio CodeをベースにしたWebアプリケーションによる統合開発環境です。
既存のVisual Studio Codeの拡張機能も利用可能で、機械学習がコーディングを支援してくれる「IntelliCode」、Visual Studioファミリー製品のあいだでリアルタイムにコードの編集やデバッグ操作などを共有できる「Live Share」機能などが最初から搭載されています。
Microsoft Build 2019で行われた基調講演では、iPadのSafariブラウザを用いてVisual Studio Codespaces(当時はVisual Studio Online)のデモが行われました。
Visual Studio Codespacesは、基本的にはMicrosoft Azure上でサーバアプリケーションを実行します。
まず、Microsoft AzureのリージョンとCPUの性能とメモリ容量を選択し、開発対象のコードなどを格納したGitHubのリポジトリを指定します。
すると自分用のVisual Studio Codespacesのインスタンスが起動し、そこへWebブラウザで接続するか、ローカルのVisual Studio Codeからリモートで接続すれば、(Visual Studio CodeのRemote Developmentと同様に)コードを編集し、ターミナルからコマンドを実行し、ビルドやデバッグなどが可能になります。
Visual Studio Codespacesの料金は選択されたCPU性能とメモリ容量によって異なりますが、Visual Studio OnlineからVisual Studio Codespacesへのリニューアルに伴い、料金はより安価なものに改定される予定です。
Visual Studio Codespaceは、その実行イメージを取り出してユーザー自身のサーバや自身で用意したクラウドのインスタンス上で実行することもできます。この場合、利用料金はかかりません(ただしMicrosoft Azureと何らかの方法で接続する必要があるようです)。
Microsoftは5月19日と20日の2日間、オンラインイベントとして「Microsoft Build 2020」を開催予定です。Visual Studio Codespacesはここであらためて詳しく紹介されるのではないでしょうか。
Visual Studio Codespacesは現在パブリックプレビューとなっており、誰でも試すことができます。
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