Microsoft決算、新型コロナの影響は“ミニマル” 「Teams」のDAUは7500万人超
Microsoftの1〜3月期決算は、新型コロナの影響は最小限で、予想を上回る増収増益だった。Web会議サービス「Microsoft Teams」のDAUは6週間前から70%増え、7500万人を超えた。
米Microsoftが4月29日(現地時間)に発表した第3四半期(2020年1〜3月期)の決算は、売上高は15%増の350億ドル、純利益は26%増の108億ドル(1株当たり1ドル40セント)だった。「Azure」の売上高が59%増と好調で、2桁台の増収が11四半期連続になった。
売上高、純利益ともにアナリスト予測(売上高は337億ドル、1株当たりの純利益は1ドル26セント)を上回った。
サティア・ナデラCEOは発表文で「この2カ月で2年分のデジタル改革が行われた。われわれは、販売、カスターマーサービス、クラウドインフラからセキュリティにいたるまで、多様な業務をリモートのチームワークで行っている。われわれの耐久性のあるビジネスモデルと多様なポートフォリオ、差別化された技術により、将来に向けた立ち位置は良好だ」と語った。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の同四半期業績への影響については、売上高へのインパクトは最小だが、広告減少が検索(Bing)とLinkedInの売り上げに影響したと説明。一方で、リモートワークの増加でMicrosoft Teamsを含むMicrosoft 365、Windows Virtual Desktopなどの利用が増加し、Windows OEMとSurface製品の需要が高まった。
ナデラ氏は電話会見で、Microsoft TeamsのDAUが7500万人を超えたと語った。6週間前には4400万人と発表しているので、70%増になる。この会見もMicrosoft Teamsで、ビデオは非表示だがリアルタイムの字幕付きで配信した。
Intelligent Cloud部門全体の売上高は27%増の122億8000万ドルだった。サーバ製品およびクラウドサービスの売上高は30%。営業利益は42%増だった。
OfficeやLinkedIn、Dynamicsを扱うProductivity and Business Processes部門の売上高は15%増の117億4000万ドルだった。企業向けOffice 365の売上高は25%、LinkedInの売上高は21%増とそれぞれ好調だった。
Windows、ハードウェア、Xbox、検索のMore Personal Computing部門の売上高は3%増の110億ドルだった。「Microsoft 365」が好調でWindows Commercial productsの売上高が17%増。Surfaceの売上高はほぼ横ばいだった。前期は減少していたXboxのコンテンツおよびサービスの売り上げは2%増。
関連記事
- 「Microsoft Teams」の1日当たり会議時間が3月中旬から3倍増の27億分に
新型コロナウイルス対策で在宅勤務が増える中、Microsoftがチームコラボレーションサービス「Microsoft Teams」の1日当たりの会議時間が3月末時点で27億分(4500万時間)になったと発表。3月16日は9億分だったので、3倍に増加したことになる。 - Microsoftの「Microsoft 365」関連発表まとめ コンシューマー向け「Teams」など
Microsoftが「Microsoft 365」関連のメディアイベントをオンラインで開催し、コンシューマー向けサブスクリプションサービス「Office 365 Solo」を「Microsoft 365 Personal」に名称変更することや「Microsoft Teams」を利用できるようにすることなどを発表した。 - Microsoft、次期Xbox「Series X」のスペックを発表 1TBのSSD搭載
Microsoftが今年のホリデーシーズンに発売する「Xbox Series X」のスペックを発表した。AMDの「Zen 2」および「RDNA 2」採用の独自設計のSoC、16GBのメモリ、1TBのSSDを搭載し、「DirectX Raytracing」や複数のゲームを切り替えてプレイできる「Quick Resume」機能が利用できる。 - LinkedInのワイナーCEOが会長に 後任CEOは製品担当上級副社長
Microsoft傘下のLinkedInで11年CEOを務めたジェフ・ワイナー氏が退任し、現在製品およびユーザー体験担当のライアン・ロスランスキー上級副社長が後任を務める。ワイナー氏は会長として留まる。 - Microsoft、2月の組織改編でWindowsとハードウェアを統合し、“Surfaceの父”をトップに
Microsoftが2月に予定している組織改編で、Windowsとハードウェアのチームを統合するとZDNetが報じた。新チームのトップには“Surfaceの父”として知られるパノス・パネイCPOが就任する。 - Microsoft、Azure好調で予想を上回る2桁台の増収増益 Xboxは11%減
Microsoftの10〜12月期決算は、Azureなどのクラウドが好調で予想を上回る2桁台の増収増益だった。これで10四半期連続の2桁台の増収率になった。2020年冬に新端末「Xbox Series X」の発売を控え、Xboxの売上高が11%減だった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.