日本国内でMicrosoft AzureとOracle Cloudが相互の高速接続およびシングルサインオンを実現
「Microsoft Azure」の東日本リージョンと「Oracle Cloud」の東京リージョンが低遅延の高速ネットワーク回線で相互接続された。Azure Active Directory(Azure AD)をアイデンティティープロバイダーとしてシングルサインオンが可能になる。提携を深め、Amazon Web Services(AWS)に対抗する。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「[速報]日本国内でMicrosoft AzureとOracle Cloudが相互の高速接続およびシングルサインオンを実現」(2020年5月8日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
「Microsoft Azure」の東日本リージョンと「Oracle Cloud」の東京リージョンが低遅延の高速ネットワーク回線で相互接続されたことが日本時間5月8日に発表されました。
この2つのクラウドはAzure Active Directory(Azure AD)をアイデンティティープロバイダーとしてシングルサインオンが可能になります。
また、Azureで稼働するアプリケーションからOracle Cloud上のOracle Databaseへ接続、逆にOracle Cloudで実行中のアプリケーションからAzureの機械学習機能を利用する、といったことも、低遅延で高速なネットワークによる相互接続によって実現できます。
北米、欧州、アジアと全世界で相互接続を実現
米Microsoftと米Oracleは、2019年6月にクラウドに関する戦略的提携を発表。北米にあるリージョンを手始めに、両社のクラウドの高速な回線による相互接続とAzure ADを利用したシングルサインオンの実現を進めてきました。
【参考記事】:[速報]マイクロソフトとオラクル、クラウドの相互接続で合意。クロスクラウドのシングルサインオン、AzureからOracle Cloud Databaseへの接続などが可能に
2019年8月にはその相互接続が欧州へ拡大し、Azureの英国南部リージョンとOracle Cloudの英国ロンドンリージョン間でも相互接続が実現。同じく2019年12月にはAzureカナダ中部リージョンと Oracle Cloudのカナダ トロントリージョン間でも高速通信回線による相互接続が実現しています。
2020年2月にはAzure西ヨーロッパリージョンとOracle Cloudのオランダ アムステルダムリージョンが相互接続され、そして本日、アジア初の相互接続としてAzureの東日本リージョンとOracle Cloudの東京リージョンが接続されました。
両社のクラウドの相互接続はグローバルなレベルで着々と進んでいるのです。
2020年1月に公開した記事「実は高速回線での相互接続が進むAzureとOracle Cloud。米国、英国に続きカナダでも相互接続とシングルサインオンなどを実現」の中でこの両社の相互接続を紹介した際には、日本における相互接続も「このペースでいけば今年中に相互接続が行われても不思議ではないでしょう」と書きましたが、予想通りとなりました。
両社によるクラウドの相互接続とシングルサインオンの提供は、クラウド市場で先行するAmazon Web Services(AWS)との距離を少しでも早く詰めていくために、両社の強みを組み合わせて顧客に提供するための提携だといえるでしょう。
すでに両社とも日本における相互接続は正式サービス化しており、利用可能になっています。
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