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楽天の第1四半期決算、241億円の赤字 MNO事業の投資が負担に “送料込みライン”は8割が導入(2/3 ページ)
楽天が2020年第1四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比で20%近く成長したものの、楽天モバイルへの投資がかさみ、営業損益は241億円の赤字となった。
楽天モバイルのMNO事業参入
4月8日に参入した携帯キャリア(MNO)事業の売上高は成長を続け、第1四半期は392億3300万円(前年同期比54.7%増)となった。
楽天モバイルの実店舗は4月の時点で569店舗になった。新型コロナウイルスの影響で現在は約500店舗が営業を自粛しているため、契約申し込みの96.5%はオンラインで行われているという。
同社は自社回線エリアを拡大するため、通信基地局の整備を加速させている。この投資の影響で営業損失は前年同期比251億円増の318億2800万円となった。
基地局数は3月末時点で4738局。当初の計画値である3432局を上回るペースで整備が進んでいる。21年3月までに人口カバー率70%を目指すとしている。
送料込みライン導入の結果は?
楽天市場では3月18日、3980円以上を注文した顧客の送料を無料とし、出店者側に送料の全額負担を求める“送料込みライン”を一部店舗で導入した。
4月末の時点で送料込みラインを導入している店舗は全体の約80%。導入店舗の流通総額は、未導入の店舗の前年同期と比べて28.7%増加しているとして、有益性をアピールしている。
当初の予定では楽天市場に参加する全店舗で一律に導入する予定だった送料込みラインだが、新型コロナウイルスの影響で一律導入は断念。公正取引委員会は、独占禁止法違反の疑いがあるとして東京地方裁判所に送料込みラインの導入を緊急停止するよう申し立てていたが、緊急性が薄れたとして3月に申し立てを取り下げた。
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