NVIDIA、“スマート病院エッジAI”システム「Clara Gurdian」で新型コロナ対策支援
NVIDIAはバーチャルイベント「GTC 2020」で、ヘルスケア関連の新製品「Clara Guardian」や「Clara Parabricks」を発表した。新型コロナ対策で病院を支援する。
米NVIDIAは5月14日(現地時間)、ヘルスケアプラットフォーム「NVIDIA Clara」の“スマート病院エッジAI”システム「Clara Gurdian」を発表した。センサーで感染症のまん延を制限し、病院のワークフローの自動化を提供する。
同システムは既に世界の50の病院に配備されており、1万以上の病室をカバーしているという。センサーで人間の体温をチェックし、リアルタイムのコンピュータビジョンでソーシャルディスタンスが保たれているかどうかを確認し、非接触式の患者の見守りを支援する。将来的には手術中の機器のトラッキングなどにも対応する見込みだ。
NVIDIAは発表文で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、テクノロジー、リサーチ、ヘルスケア業界の協力体制が強まり、この疾患のまん延、規模、重症度を把握するための新たなコンピューティングソリューションの開発が加速した」と語った。
Clara Gurdianは、AI利用のビデオ分析アプリとサービスを構築する「NVIDIA DeepStream SDK」と「Transfer Learning Toolkit」、自動音声認識、自然言語処理、テキスト読み上げのAIモデルを構築・展開する「NVIDIA NeMo」と「Jarvis」、一連のデバイスを管理する「NVIDIA EGX Edge AI」で構成される。トレーニング済みのモデルとリファレンスアプリも提供する。
同システムで開発されるアプリとサービスは、Jetson NanoからT4サーバまで、幅広いハードウェアで実行できるため、1度構築したシステムはエッジからクラウドまで、どこにでもデプロイできるとしている。
同社はまた、DNAからRNAまでのゲノミクスアプリケーションをサポートする計算フレームワーク「Clara Parabricks」も発表した。同社のデータ分析スタックを使い、GPU加速ライブラリ、パイプライン、分析用リファレンスアプリケーションワークフローを構築する。「Clara Parabricks Pipelines v3.0」はNVIDIAが同日発表した新GPU「NVIDIA A100」により、DNA解析を高速化する。
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