SBG孫社長、取締役を退くジャック・マー氏との友情を語る 「人生の友」「生涯にわたって続いていく」
Alibaba創業者のジャック・マー氏が、6月25日にソフトバンクグループの社外取締役を退任する。この件について、ソフトバンクグループの孫正義社長が決算会見で言及。「欠かすことができない人生の友」と、マー氏との友情について語った。
「ジャック・マーは、私にとって大変素晴らしい、欠かすことができない人生の友。志を分け合った同志だ」。ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長は、5月18日に開いた2020年3月期の通期決算会見でこう語った。
中国Alibabaの創業者であるジャック・マー(ユン・マー)氏は、2007年6月にSBGの社外取締役に就任。13年間にわたって務めたが、6月25日の定時株主総会をもって退任することが決まっている。
マー氏は2019年9月に、Alibabaの会長からも引退するなど、ビジネスの最前線から退きつつある。マー氏は今後、慈善事業に集中するとみられており、孫社長は「われわれの社外取締役から降りるというのも、彼の人生観の一環だ」と説明した。
友人関係にある孫社長とマー氏は、マー氏が退任を決めた現在も連絡を取り合っているといい、「毎月、直接会って食事をしたり、人生観や経営についての思いを語り合っている。生涯にわたって友情は続いていく」と孫社長は明かした。
SBGは6月25日付で新たに取締役を加える予定。新任取締役の候補者は、社内取締役がSBGの後藤芳光専務執行役員(CFO兼CISO)、社外取締役がベンチャーキャピタルの米Walden International創業者のリップブー・タン氏、早稲田大学大学院経営管理研究科の川本裕子教授。
マー氏の退任後に、社外取締役の人員を増やすことについて、孫社長は「私はワンマン経営者という風に見られがちだが、(取締役会などでは)侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論をしている。多くの株主の資金を預かる公開会社である以上、ガバナンスは重要だと私自身受け止めていきたい」と説明した。
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