首相「接触確認アプリ使って」 “緊急事態宣言解除後のカギ”と呼びかけ
安倍晋三首相は、全国の緊急事態宣言を解除するとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2波を起こさないための重要な取り組みとして、厚生労働省が開発を進めている「接触確認アプリ」を多くの国民に利用してほしいと呼びかけた。6月中旬をめどに公開予定。
安倍晋三首相は5月25日、全国の緊急事態宣言を解除するとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2波を起こさないための重要な取り組みとして、厚生労働省が開発を進めている「接触確認アプリ」を多くの国民に利用してほしいと呼びかけた。6月中旬をめどに公開するという。
首相は、英オックスフォード大学の「国民の6割が接触確認アプリを導入し、早期に濃厚接触者に通知できればロックダウンを避ける大きな効果が期待できる」という研究結果を引用しながら、「クラスター対策の鍵は接触確認アプリ。個人情報は全く取得しない。多くの人に使ってほしい」と話した。
接触確認アプリは、COVID-19陽性判定者と数日以内に濃厚接触した恐れのある人へ通知を行うアプリ。米Appleと米Googleが提携し、接触確認のために2社のOSを搭載したスマートフォン間でBluetoothを活用する規格を定めた。
エンジニアの民間団体コード・フォー・ジャパン(東京都文京区)の有志が3月下旬から独自アプリの開発を進めていたが、5月8日に厚生労働省が主体となって開発することが決定。AppleとGoogleの共通規格を実装できるのは1国1アプリと定められているため、コード・フォー・ジャパンは開発アプリをオープンソース化した上、厚労省の開発を支援する方針に切り替えた。
安倍首相は緊急事態宣言に伴って国民が外出・移動の自粛や店舗営業の自粛を行ったことに感謝の意を示した。その上で、「緊急事態宣言を解除した後でも、身の回りにウイルスは存在している。気を緩めると一気に感染が広がるのが最も怖いところ」と強調する。
さらに「感染者数が再び高まれば、2度目の緊急事態宣言の発出もありうるが、外出自粛のような制限はできる限り避けたいと考えている」とし、「そのためには感染クラスター対策を一層強化することが鍵」として接触確認アプリの利用を促した。
関連記事
- AppleとGoogleのAPI採用新型コロナ通知アプリ開発は今、どの段階にあるのか
AppleとGoogleが新型コロナの曝露(感染者との接触)通知アプリのためのAPIを公開しました。日本では厚生労働省がiPhoneとAndroid端末向けのアプリをそれぞれのアプリストアで公開する予定です。 - Code for Japan、「濃厚接触確認アプリ」をオープンソース化 政府主導の開発決定でアプリ公開は取りやめ
エンジニアの民間団体コード・フォー・ジャパンは、新型コロナウイルス陽性患者と濃厚接触した恐れのある人に通知を送るアプリ「まもりあいJAPAN」のソースコードをオープンライセンスでGitHub上に公開した。厚労省が主体となって接触確認アプリを作ることになったため、同団体からのアプリ公開はなくなったという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.