YouTube、警察の差別を研究・提言する非営利団体に100万ドル寄付
黒人男性が白人警官に殺害されたことで全米に抗議運動が広がる中、YouTubeが警察での人種的不正を研究し、改善を提言する非営利団体CPEに100万ドル寄付し、ユーザーにも寄付を呼び掛けた。
米Google傘下のYouTubeは5月31日(現地時間)、「人種差別と不正に向かって連帯」するとして、警察組織の人種差別を研究し、提言する非営利のシンクタンクCenter for Policing Equity(CPE)に100万ドル(約1億770万円)を寄付したと発表した。人々にも寄付を呼び掛けている。
具体的には触れていないが、25日にミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害された問題が契機とみられる。この問題で、全米で抗議運動が拡大している。同州当局はフロイド氏の首を膝で押さえ続けて死亡させた警官を殺人罪などで起訴した。
YouTubeは「Stand Against Racial Injustice(人種差別に立ち向かう)」と題する30秒動画で「われわれのコミュニティの一員が傷つけられると、われわれ全員が傷つく。今この時、われわれは心を痛めている。だが、協力することで、われわれは人種的不正に終止符を打つことができる。YouTubeと共にCPEに寄付しよう。詳しくはPolicingEquity.orgで確認しよう」と訴えた。
CPEは、研究者と人種問題の専門家、データ分析者などで構成される非営利団体。データに基づいて公正なシステムを開発し、法執行機関やコミュニティと協力している。CPEの寄付ページには「暗黒の現在、科学はわれわれの正義への道を照らす」とある。
米Googleの米国版の検索ページトップ(Google.com)とYouTubeのトップは、警察に殺害された黒人男性を悼み、人種差別に反対するために特別仕様になっている。
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