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“敏感な”ロボットフィンガー、コロンビア大が開発Innovative Tech

ロボットの指に触覚を持たせるため、発光体と受信機を内部に用意した。

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Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 コロンビア大学の研究チームが開発した「A Sensorized Multicurved Robot Finger with Data-driven Touch Sensing via Overlapping Light Signals」は、人間の指のような触覚を備えた、円筒型のロボット用フィンガーだ。

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触覚フィンガーを指で触っている様子

 この“触覚フィンガー”は、円筒形の本体に取り付けられた半球形の先端で構成。どこを触っても、触れた部分を1mm未満の精度で検出し、触った力の強さも分かる。

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上段左:発行体やフォトダイオードなどの回路基板を装備。上段中央:上から透明シリコン層でカバー。上段右:スキンで覆う。下段は接触位置を検出する様子

 高い精度を実現するために光の反射を用いる。触覚フィンガーには湾曲した透明なシリコン層があり、その内側に32個の発光体(LED)と30個の受信機(フォトダイオード)を散らばめた。このLEDが発する光が内部でどのように跳ね返るかを受信機で計測し、分析する。

 触覚フィンガーが何かで押されると、表面が凹み、同時に内側の空間も変化する。この変化した空間での光の跳ね返り方で触覚位置と触った力の強さを検出する仕組みだ。

 計算には深層学習が用いられ、発光体と受信機が生成する合計960個の信号を処理する。訓練するデータセットは、ロボットアームに取り付けた圧子で実際に押した際のデータを収集した。学習は回帰(位置と力)と分類(マルチタッチ検出)の両方を計算する。

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