羽田空港、無人運転で人を運ぶ小型モビリティを導入 世界初
電動車椅子を開発するWHILL(神奈川県横浜市)は、羽田空港第1旅客ターミナル内に、人を運ぶ車椅子型の自動運転システムを導入した。空港が人の乗り物に自動運転システムを取り入れるのは世界初としている。
電動車椅子を開発するWHILL(神奈川県横浜市)は6月8日、羽田空港第1旅客ターミナル内に、人を運ぶ車椅子型の自動運転システムを導入したと発表した。空港が人の乗り物に自動運転システムを取り入れるのは世界初としている。
第1旅客ターミナルの南ウイングに3台を設置。保安検査場から搭乗ゲートまでの約250〜400mを自動運転で結ぶ。旅行客の利用は無料で、足の不自由な人から高齢者、健常者まで誰でも利用できる。
自動運転システムの背中側には手荷物を収納できる。手元に備えられている操作用タブレットで目的地の搭乗ゲートを指定すると自動で運転を開始。時速約3kmで走行し、搭載したステレオカメラとLiDARセンサーで障害物を検知すると停止する。目的の搭乗ゲートに着き、利用を終了すると自動で保安検査場へ戻っていくという。
WHILLの杉江理代表取締役CEOは、「新型コロナの影響によりソーシャルディスタンスの確保が求められていることもあり、世界的に空港での車椅子サービスの需要が増えている」と説明する。
「世界的にも高齢の旅行者は増えており、車椅子のサービス需要に対してスタッフの数が足りていない状況。また、従来のサービスでは空港スタッフが車椅子を押すため、“密集”や“密接”の状況が避けられない」として、コロナ禍を背景に世界中の空港から引き合いが来ていると杉江CEOは話した。
今後、南ウイングでは台数を5台まで増やす他、北ウイング、他ターミナルへも拡張予定。海外では上位50の主要な空港で導入を目指す。空港の他には病院や美術館など、屋内施設への展開を検討している。
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