ロボットが駅構内を消毒、荷物を搬送 JR東が高輪ゲートウェイ駅で実験
JR東日本が、高輪ゲートウェイ駅で計9機種のロボットやパーソナルモビリティを使った実証実験を行う。時期は7月以降。開発プロジェクトが終了する2025年以降に、市街地で活用する計画。
JR東日本は7月7日、計9機種のロボットやパーソナルモビリティを使った実証実験を、山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅で7月以降に始めると発表した。うち3機種は駅の床面などの消毒、4機種は荷物の搬送、2機種は人の移動に使用する。
同駅周辺では現在、住宅、学校、店舗、高層ビルなどを2025年をめどに整備する「品川開発プロジェクト」が進行中。実験結果を踏まえ、整備完了後に市街地でロボットやパーソナルモビリティを活用する計画だ。
実験で使う清掃用ロボットは、ソフトバンクロボティクスの「Whiz」、ZMPの「PATORO」など。いずれも複数のセンサーを組み合わせ、人や障害物を避けながら自律的に移動できる。実験は、駅構内の手すりやベンチなど、客の手に触れる場所に消毒液を自動で噴霧する。将来は車両内の消毒への応用を検討する。
搬送用ロボットは、THKの「Lifter付きSEED-Mover」、花岡車輛の「DANDY AUTO-PILOT」など。品川開発プロジェクトの関係者が駅を訪れた際に、手荷物や軽食、コーヒーなどを載せると、指定した場所まで自律的に運ぶ。人や障害物を検知すると自動で止まる。
パーソナルモビリティは、トヨタ自動車の「歩行領域EV」(立ち乗りタイプ)と、パナソニックの「WHILL NEXT」。歩行領域EVは3輪車型で、利用者が立ったまま乗車して操作する。警備や巡回などへの応用を見込む。WHILL NEXTは車いす型で、障害物を検知すると自動で減速、停止する。先行するロボットを自動で追いかける機能も持つ。
いずれの機種も、実験を行うエリアと時間帯は非公開。一般客は利用できない。
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