ぶつからない“自動運転ロボットの群れ”アルゴリズム ノースウェスタン大が開発:Innovative Tech
自律的に衝突を回避できるロボットのアルゴリズムが研究されている。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米ノースウェスタン大学の研究チームが開発した「Shape Formation in Homogeneous Swarms UsingLocal Task Swapping」は、自動運転車や倉庫で使われる自動搬送ロボットの車両同士が群れで動くときに衝突を回避する分散アルゴリズムだ。
衝突回避の実証をするため、コンピュータシミュレーションで1024台、実機で100台のロボットを使い実験した。実験では各ロボットに目標地点の割り当てと目標地点への衝突のないパスの作成を命令し、衝突せず指定した形状を形成できるかテストする。
この分散アルゴリズムでは、各ロボットは近隣のローカル情報を用いて自律的に衝突とデッドロックを回避し、群れで動いても自己判断でミッションをクリアするよう設定する。
各ロボットはセンサーを用いて近隣と通信し、行きたいスペースが空いているか判断。空いていれば移動、空いていなければ待機を繰り返し、ミッションクリアまで動作し続ける。近隣との通信範囲は0.6m。実験の結果、1分以内に全ロボットが移動して指定の形状を形成することに成功した。
このように、分散アルゴリズムを用いてロボットの群れを制御することで、集中型制御では困難なスケール化が容易になり、1台の故障でシステム全体をクラッシュさせるリスクを回避できるなどのメリットを享受でき、大量のロボット制御を安全に行える。
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