後出しの「Pixel 4a」は「iPhone SE」を超えられたか:Googleさん
Googleさんが発表した「Pixel 4a」は、4月に発売されたAppleの「iPhone SE」よりメモリもストレージも大きいのに価格はかなり下。ディスプレイの広さやサウンドなどを実際に比べてみました。
「Pixel 4a」、本当に8月3日(米国時間)に発表されました。前回の「Googleさん」で「今度こそ」とスペック予想をまとめちゃったんで、本当に発表されてほっとしました。
それにしても、メモリ6GB、ストレージ128GBで4万2900円(税込)は思い切った価格です。先代の「Pixel 3a」よりいろいろパワーアップしたのに5700円も安い。
この価格設定はやはり、Appleが4月に「iPhone SE」を4万9280円(税込)〜で発売してくれたお陰でしょうか。Apple史上最安値なこのモデル、明らかにAndroid勢対抗です。
Pixel 4a、Pixel 3a、iPhone SEのスペックを比較してみました。
iPhone SEの64GBモデルよりも6380円安い。ストレージ容量が同じiPhone SEの128GBモデル(メモリは4GBで5万4780円)より1万1880円も安い。
このお値段をひねり出すために、もちろん犠牲になったこともあります。例えば、すぐに分かるのは本体のカラバリがJust Black(黒)だけになったこと。Pixelシリーズは「Not Pink」や「Purple-ish」などの個性的なカラー名が楽しみの1つでしたが、これが黒だけに。
そして、これまでのPixelシリーズは大(XL)小コンビだったのに、今回は大きい方の「Pixel 4a XL」はありません。ちなみに秋に「Pixel 5」と一緒に5G対応の「Pixel 4a 5G」が6万500円で出る予定ですが、サイズは同じなのでXLを作るよりはコストは掛からないと思います。
また、カメラ性能を誇るPixelなので、先代のPixel 3aは「Pixel 3」とカメラ性能は同じでしたが、Pixel 4aには「Pixel 4」にはあるメインカメラの2つ目、テレフォト(望遠)がないので、「超解像ズーム」はソフトウェアのみでがんばります。Pixel 4が誇る“天の川も撮れる”「夜景モード」も、「ポートレートモード」も、「デュアル露出補正」機能も、ソフトウェア的に作っているものなので同じように使えます。
あと、HTCチームがもたらした、本体をぎゅっと握るとGoogleアシスタントが起動する「Active Edge」がありませんが、そういえば私はPixel 4であまり使っていません。
それに、Pixel 4の「Soli」レーダー(ジェスチャー入力するやつ)も、顔認証機能もないです。顔認証は、コロナ禍でマスクな日常では不便なので、指紋認証に戻ってかえって嬉しいくらいです。Soliも結局Pixel 4でほとんど使っていない(個人の感想ですが)のでまあ、いいかなと。
このように削ったこともありますが、それでも、メモリもストレージも3aとiPhone SEより大きいし、(パンチホールカメラのお陰で)画面が広いのに本体サイズは小さいし(iPhone SEよりは少し大きい)、3台のうちで一番軽いし、バッテリーは一番大きいし。
iPhone SEにスペックで負けてるのは無線充電非対応なところくらいではないでしょうか。(デザインとかUIとかは別として。)
実はPixel 4aを1台お借りしたので、うちにあるiPhone SEやPixel 4と実際に比べてみたりしました(Pixel 3aは持っていないので比較していません)。
Pixel 4aとiPhone SEの本体サイズと画面の広さを、同じGoogleマップを表示して比べてみると、違いがよく分かります。
ホーム画面はちょっとだけどPixel 4よりも広い感じ。
でも実はパンチホールがある部分まで画面を使うアプリはあまりなくて、例えばGoogleドキュメントで横書きの文章を表示したときの行数はPixel 4と同じです。
そうなるとパンチホールにする意味あったのかなぁとちょっと思いますが、ホーム画面にしたときの広々感は大事かもしれません。左上の黒い円が気になる人は、付属の壁紙(ホーム画面を長押しすると表示されるメニュー→「スタイルと壁紙」→「楽しむ」)にしておくといいかもです。
筆者はずっとPixel 4を使って来ましたが、お借りしたPixel 4aを数日使ったところでは、ほとんど不便を感じていません(感じた不便については後述します)。ベンチマークをとったりするタイプではなく、日常的な使い方しかしていませんが、そういう範囲では今のところ「Pixel 4の方がいいな」というところはあまりないです。
カメラも、私にはPixel 4とPixel 4aの違いは感じられません。下は同じ位置から無造作に撮影した写真です。
ただ、本体のスピーカーから音楽を流したときの音は、Pixel 4の方がいいです。たぶん、筐体がガラスかポリカーボネート(プラスチック)かの違いが大きいんだと思います。Pixel 4aの方がちょっとしゃかしゃかした音です。それでも、iPhone SEと比べるとPixel 4aの方がいい音です。ちなみに、Pixel 4はiPhone 11 Proよりもいい音でした。これは、主観的ではありますが、Apple信者でiPhoneユーザーの夫も認めました。
もっとも、スマホで音楽を聴くときはイヤフォンを使うことが多く、スピーカーで聴くことはほとんどないので、どうでもいいことではあります。Pixel 4aと同時に日本発売が発表された無線イヤフォン「Pixel Buds」の音がいいかどうかの方が大事かも。
で、感じた不便というのは、無線充電できないことです。贅沢な不満ではあります。Pixel 3から愛用している無線充電スタンド「Pixel Stand」が便利すぎて、仕事場とベッドサイドに1台ずつ置いているくらいなので、Pixel 4aもついPixelスタンドに置いてしまい、「おっと」とケーブルにさす、ということに。ケーブルに挿してしまえば高速充電対応で、すぐ充電完了しますが。つまり、Pixel 4aが不便というより、aじゃないPixelが便利過ぎ、ということです。ちなみにPixelスタンドではiPhone SEも充電できます。
そんなわけで、私はPixelスタンドが使えるであろう今秋発売予定の「Pixel 5」を買うと思います。あー、もしかしたらGoogleさんが、Pixel BudsケースもPixel本体と一緒に充電できる新しいPixel Standを発売したりして。それは物入り(わくわく)。
【更新履歴:2020年8月4日午前5時25分 一部「iPhone 4」となっていたものを「Pixel 4」に修正しました。ごめんなさい。】
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