ラズパイを無線LANルーター化する 〜アクセスポイント編〜:名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第24回)(2/2 ページ)
家庭内で無線LANルータを使っている人は多いかと思います。今回はそのルーター機能をラズパイに持たせて、ラズパイを使った無線LANルーターの構築方法についてご紹介します。
dnsmasqのインストールと設定
最後に「dnsmasq」をインストールします。dnsmasqは小規模ネットワークで利用するDNSサーバ機能を持つアプリです。以下のコマンドを入力してインストールしましょう。
$ sudo apt install dnsmasq
インストールしたあとは設定ファイルをいじるので、サービスをいったん止めておきます。
$ sudo systemctl stop dnsmasq
では設定ファイルを編集しますが、あまりにも長いファイルなので、設定ファイルのファイル名を変更して、新たに記述して作成します。まずはファイル名を変更しましょう。
$ sudo mv /etc/dnsmasq.conf /etc/dnsmasq.conf.def $ sudo nano /etc/dnsmasq.conf
nanoが起動したら以下の内容を記述します。ここでは192.168.2.2から192.168.2.255までのIPアドレスが振り分けられるようにしています。
interface=wlan0 dhcp-range=192.168.2.2,192.168.2.100,255.255.255.0,24h
接続されたデバイスがインターネットに接続できるよう、「IPマスカレード」を設定します。以下のコマンドを入力します。
$ sudo iptables -t nat -A POSTROUTING -o eth0 -j MASQUERADE $ sudo sh -c "iptables-save > /etc/iptables.ipv4.nat"
この項目は以下のような意味となっています。
-t nat:natテーブルを使用する
-A POSTROUTING:POSTROUTINGチェインを使用し、内部ネットワークから外部ネットワークへ出ていくパケットのソースIPを書き換える
-o eth0:パケットが出ていくインタフェースを指定する(ここでは「eth0」)
-j MASQUERADE:IPマスカレードを行う
そしてこの2行目で設定を保存しています。
最後に、上記のコマンドがラズパイが起動する際に実行されるように「rc.logal」のファイルを編集します。以下のコマンドでnanoを起動します。
$ sudo nano /etc/rc.local
「exit 0」とある行の前に、以下の内容を追記します。
iptables-restore < /etc/iptables.ipv4.nat
長かった設定も以上で終了です。ラズパイを再起動しましょう。
$ sudo reboot
再起動すると設定したSSIDでアクセスポイントが見つかります。
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