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IBMの量子コンピュータが7カ月で2倍の性能に 量子ボリューム64に到達
米IBMは、同社の量子コンピュータの性能が1月に発表したものから2倍に向上したと発表した。同社が提唱する「量子ボリューム」(QV)という指標で64に到達したとしている。
米IBMは8月20日(米国時間)、同社の量子コンピュータの性能が1月に発表したものから2倍に向上したと発表した。同社が提唱する「量子ボリューム」(QV)という指標で64に到達したとしている。
今回QV64を達成したのは、27量子ビットで構成されたシステム。1月の時点では28量子ビットのシステムでQV32を達成していたが、回路の最適化などハードウェアの改良を施すことでほぼ同じ量子ビット数ながら性能を向上できたという。
量子ボリュームは量子ビットの数だけでなく、エラー率や計算可能時間(コヒーレンス時間)などを総合的に考慮した指標。IBMは量子コンピュータの性能を年々2倍に増やすロードマップを描いており、その通りに進めば2030年までに量子コンピュータの実用化が見込めるとしている。実際には17年のQV4から、18年のQV8、19年のQV16、20年1月のQV32と順調に達成しており、今回は前倒しで目標をクリアした。
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