“液タブ”機能付きノートPC向けタッチパッド「MirrorPad」 KAISTが開発:Innovative Tech
ノートPCとタブレットのいいところを合体させたユーザーインタフェースの新提案。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
韓国科学技術院(KAIST)の研究チームが開発した「MirrorPad」は、タッチパッドとペン対応ディスプレイの両方を兼ね備えたPC用入力・表示システムだ。
MirrorPadはノートPCのキーボードの手前に埋め込まれ、タッチパッドとして機能すると同時に、メインディスプレイ上の、フォーカスを当てたい関心領域をミラーリングするペン対応のサブディスプレイとしても動作する。
サブディスプレイにはメインディスプレイの一部、関心領域のみが映し出され、その領域を見ながら通常のタッチパッドと同様に指でマウスカーソルの操作やマルチタッチが可能。タッチペンでスケッチや注釈などの書き込みもできる。
タッチペンがサブディスプレイの上にホバーしている場合、通常のタッチパッド機能は無効となり、タッチ操作で関心領域の移動やサイズ変更が可能になる。そのため、片方の手の指で関心領域を調整しながら、もう片方の手に持ったタッチペンで書き込むこともできる。
ププロトタイプとして2in1 PC「Surface Pro 3」をメインディスプレイにAppleのワイヤレスキーボードを接続し、ノートPCでタッチパッドがあるべきところにMirrorPadを実装した。
プロトタイプを用いた実験では、キーボードとペンによる操作が混在するワークフローにおいて、どのタイプの組み合わせが効率的なのかを評価した。評価対象は、MirrorPadプロトタイプ、タブレットに物理キーボードを追加したもの、タブレットだけの3種類。
処理時間ではMirrorPadが一番速く、タブレット+キーボード、タブレットのみと続いた。タブレットはペンでの入力は速いがキーボードでのタイピングが著しく遅く、タブレット+キーボードではペン入力でMirrorPadに劣った。MirrorPadのキーボード入力はラップトップ条件とほぼ同等、ペン入力はタブレット条件とほぼ同等という結果が出た。
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