香港の民主活動家・周庭さん、Twitterを再開 「日経広告が犯罪の証拠はおかしい」警察の姿勢に疑問
香港の民主活動家・周庭さんが9月2日、公式Twitterアカウントを更新した。8月に国家安全維持法に違反した容疑で逮捕された際、警察が犯罪の証拠として挙げたものが、2019年に日本経済新聞に掲載された意見広告であることに疑問を呈した。
香港の民主活動家・周庭(アグネス・チョウ)さんが9月2日、7月に止めていた公式Twitterアカウントの更新を再開した。8月に国家安全維持法の違反容疑で逮捕された際、警察が犯罪の証拠として挙げたものが、2019年に日本経済新聞に掲載された意見広告だったことに疑問を呈した。
周さんは国家安全維持法が施行された7月からTwitterの投稿を控えていたが、9月2日午後6時ごろにTwitterを更新。「ただいま戻りました」から始まり、「国家安全法が施行された7月からはTwitterを控えていましたが、結局逮捕され、いろいろ考えた上で、Twitterを再開することを決めました」と投稿した。
続けて、8月10日に国家安全維持法に違反した疑いで自身が逮捕された際、香港警察から聞かされた容疑は「外国勢力との結託」だったとし、「警察側に見せられた証拠の1つは2019年に日経新聞に載せた香港民主化運動に関する意見広告でした」と明らかにした。
この容疑に対して周さんは納得がいっていないとし、「私が(意見広告によって)一体どういう形で法律違反してしまったのか、警察は発表していません」と投稿。「もしこれが本当に私の犯罪証拠なのであれば、2019年の広告が2020年に施行された法律に違反するなんて、おかしいです」と警察の姿勢に疑問を呈した。
最後に「これから起訴されるかどうかは分からないけど、皆さんが引き続き香港のことに注目してくださればありがたいです」と投稿を締めくくった。
周さんは8月10日の逮捕後、11日深夜に保釈されたと複数のメディアが報じた。13日に自身の公式YouTubeチャンネルを更新し、逮捕されたときの恐怖や香港への注目を呼び掛ける日本語のメッセージを収めた動画を公開していた。
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