Googleマップ、DeepMindとの提携で東京などでの到着予定時刻の精度が大幅アップ
Googleマップの経路検索の到着予定時刻の精度が、DeepMindと提携して開発したGNN採用ツールで大幅に向上した。
米Googleは9月3日(現地時間)、Googleマップでの最適な経路の決め方や渋滞の把握方法などの「舞台裏」について説明した。特に、ETA(到着予定時刻)は系列のAI企業DeepMindとの提携により、大幅に精度が向上したとしている。
Googleマップでは、位置情報を有効にしているユーザーの位置情報データの集計で世界の交通状況が把握できるようになっている。ただ、このデータだけでは数十分後に交通量がどうなるかは分からない。こうした近い将来の交通量を予測するために、Googleは過去の交通パターンを分析し、それを実際の交通状況と組み合わせて機械学習で予測している。
この予測は97%以上が正確だったが、最近DeepMindと提携したことで、さらに精度が上がったという。この改善では、時空間推論を実行できる「グラフニューラルネットワーク」(GNN)と呼ばれる一般化機械学習アーキテクチャを使用した。これにより、例えば東京、ベルリン、ワシントンD.C.などではリアルタイムETAの精度が最大50%向上したとしている。
この仕組みについてはDeepMindの公式ブログを参照されたい。
Googleの予測交通モデルはナビの経路の決定にとって重要だ。このモデルでトラフィックの増加を予測すると、自動的に代替経路を検出する。また、道路の幅や舗装状態などのデータ、地方自治体からの情報、ユーザーからのリアルタイムのフィードバックも経路決定の際に参照する。
Googleは、トラフィック予測と経路決定は非常に複雑だが、可能な限り安全で効率的な経路の開発に引き続き取り組んでいくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Googleマップ、都バスのリアルタイム位置情報に対応 経路検索時に表示
公共交通オープンデータ協議会が8月18日から、東京都交通局の運行する都営バスの走行情報データをGoogleへ提供開始。Googleマップの経路検索画面に都営バスの現在位置が表示されるようになった。
Googleマップ、砂漠か森かなど自然の特徴が色で分かるアップデート 一部都市で道路の詳細情報も
Googleマップのデフォルト表示がアップデートし、砂漠や緑地などの自然の特徴が色で分かるようになる。また、ニューヨークやロンドンなどの道路の表示が詳細になり、横断歩道や安全地帯も表示されるようになる。
Googleマップ、シェアサイクルのリアルタイム在車台数も分かる新機能 まずは世界10都市で開始
Googleが世界10都市のシェアサイクルサービスと提携し、Googleマップの自転車ルートの検索結果に最寄りのステーションとその在車台数を表示する新機能を追加した。
Googleマップの交通状況をカートに積んだ99台のスマホでハック 独アーティストが作品として披露
ベルリンのアーティストが、位置情報をオンにした99台のスマートフォンをカートに積んで引っ張り回し、Googleマップに「仮想渋滞」を作り出す作品を発表した。Googleは「改善に繋がるので感謝する」とコメントした。


