KDDI、ベンチャー4社と健康管理アプリ 豊島区と連携し21年に商用化を目指す
KDDIがベンチャー企業と連携し、スマートフォンで体重、脈拍、歩数や生活習慣病の発症リスク度を表示するアプリを開発する。東京都豊島区と共同で進める東京都の公募事業でアプリを活用し、2021年4月以降の商用提供を目指す。
KDDIは9月7日、ベンチャー企業と連携し、スマートフォンで体重、脈拍、歩数や生活習慣病の発症リスク度を表示する健康管理アプリ「ポケットヘルスケア」を開発すると発表した。東京都豊島区と共同で進める東京都の公募事業でアプリを活用し、利用実績などを踏まえ2021年4月以降の商用提供を目指す。
歩数、体重、脈拍などの「健康データ」、健康診断や採血検査の結果データを基に生活習慣病の発症リスク度を表示する「健康スコア」、自覚症状を尋ねる質問に答えると適切な受診先を示す「AI受診相談」、近隣の医療機関情報を提示する「医療機関検索」などの機能を搭載。「アプリ1つで日頃の健康管理が可能になる」(同社)としている。
KDDIが健康データの機能を開発する。データ分析を手掛けるARISE analytics(東京都渋谷区)と医療データ解析を行うPREVENT(愛知県名古屋市)が健康スコア、医療ベンチャーのUbie(東京都中央区)がAI受信相談の機能を実装。KDDIと医療機関のデータベースを構築するウェルネス(東京都文京区)が医療機関検索の機能を手掛ける。
アプリの開発背景についてKDDIは、外出自粛に伴う活動量の減少など健康維持のための環境は悪化していると指摘。慢性疾患や体調不良の人が医療機関の受診を控えるケースや、患者数の減少で医療機関の経営が困窮するケースがあるという。このような状況を踏まえ、日頃の健康管理や適切な医療受診を提案するアプリの開発に至ったとしている。
今後は東京都豊島区と共同で、データを基に医療分野のサービス開発につなげる東京都の公募事業「次世代ウェルネスソリューション」でアプリを活用。アプリの利用実績を踏まえ、オンライン診療やオンライン服薬指導などの機能を追加し、21年4月以降の商用提供を目指す。
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