LINE、オンライン診療サービスを今夏リリース LINE Pay連携や予約機能も検討 「医療格差を是正する」
LINEヘルスケアが、2020年夏をめどにオンライン診療サービスをリリースすると発表した。ビデオ通話での診療を軸に「LINE Pay」との連携や予約機能の搭載を検討するという。「LINE」内の新機能か新しいモバイルアプリとして提供し、医療費や待ち時間の削減、医療格差の是正などの実現を目指す。
LINEヘルスケアは5月28日、今夏をめどにオンライン診療サービスに参入すると発表した。ビデオ通話を通じて医師が診療する環境を整えることで「医療費や待ち時間を削減し、医療格差を是正したい」考え。「LINE Pay」決済や、アプリ内での診療予約機能の搭載も検討する。室山真一郎社長は「なるべく早く実現する」と意気込む。
同社によると、オンライン診療サービスはチャットアプリ「LINE」内の新機能か、新しいモバイルアプリとして提供する。決済方法はLINE Payを含むスマートフォン決済や、クレジットカードなどへの対応を検討中。
将来は、アプリ内での診療予約やリモートでの服薬指導などの機能を導入する計画だが、実装時期は未定。夏のリリース時点では、ビデオ通話を中心とした基本的な機能の提供を目指す。
LINE内の新機能として提供する場合は、約8200万人のユーザーにアプローチ可能なサービスにするという。ただし、同社の健康相談サービスに参加する約2000人の医師が全員オンライン診療サービスにも参加するかどうかは未定としている。
LINEが見据えるオンライン診療の展望と課題
同社がオンライン診療への参入に当たって医師に意見を聞いたところ、オンライン診療を始めていない医師からは「導入コストがかかる」「診療体制の構築が別途必要となる」、既に始めている医師からは「患者側の利用がスムーズにいかない」「支払いや予約の仕組みが使いづらい」といった悩みの声が出たという。
LINEは、自社サービスではこうした課題を解決できるとしており、室山社長は「LINEグループのサービスであれば、使い慣れたツールの延長線上として使うことができる」「医療費や待ち時間の削減に加え、地域ごとの医療格差を是正できる」と強調した。
セキュリティやプライバシーにも十分配慮するといい「セキュリティについては厚労省のガイドラインを厳守して、個人や健康に関する情報を守る体制を整える。医師がプライベートとパブリック(のアカウント)をどう使い分けるかなど、患者とのコミュニケーションの中でプライバシーを守る方法を考える」(室山社長)という。
LINEヘルスケアは2019年1月、LINEと医療業界向け情報サービスのエムスリーが共同出資で設立。同年12月からオンラインで医師からの助言を受けられる健康相談サービスを展開している。
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