SlackとAIを連携、学生の質問に自動回答 近畿大がオンライン授業で新施策
近畿大学がチャットツール「Slack」とAIを組み合わせ、オンライン授業の質疑応答を効率化。学生がSlackで講義に関する質問を送ると、AIが内容を認識し、チャットbotがテキストで自動返信する。
近畿大学は9月11日、チャットツール「Slack」とAIを組み合わせ、オンライン授業の質疑応答を効率化すると発表した。学生がSlackで講義に関する質問を送ると、AIが内容を認識し、チャットbotがテキストで自動返信する。講義中だけでなく24時間対応可能という。教員の負担を軽減するとともに、多くの学生の質問に答えられるようにする。
学生は、AIによる回答の質をSlack経由でシステム側にフィードバックできる。AIが質問に答えられなかった場合や、学生の疑問が解決しなかった場合は、教員に通知が届き、後日正しい回答を送る。
AIによる回答、学生からのフィードバック、教員の回答などの内容は、AIが自動で収集・蓄積し、対話モデルの改善に生かす。
当初は理工学部情報学科の講義「情報メディアプロジェクトII」に導入し、追って他の授業に拡大する。この講義では、SIerのSCSKから派遣された講師が対話システムの構築を教える。9月16日に開講予定で、約110人が受講するとしている。
近畿大ではこれまで、チャットとAIの活用を別個に進めてきた。チャットについては、全ての学生と教職員(合計で約3万7000人)にSlackを提供。学生が教員にチャットで質問できる体制を整えている。
AIについては、米IBMのAI「IBM Watson」に理工学部の講義データを学習させ、学生からの質問に自動で答えるシステムを開発。同大の大学院生が運用を担当し、学部生向けに提供している。
だが、新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン授業に移行すると、学生がより積極的に授業に参加するようになり、質問の量が増えて対応する教員やAIを運用する院生の負担が増した。このため、負担の軽減と質疑応答の効率化に向けてSlackとAIの連携を決めたとしている。
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