近畿大、電話システムの一部をクラウドに移行 職員のPC通話とBYODもスタート
近畿大学東大阪キャンパスが、事務部門にクラウド型のPBXシステムを導入。同システムを活用し、職員のPCでの通話と、私用スマホでの内線利用を開始している。今後は同キャンパスのフルクラウド化を目指すという。
NTT西日本は1月9日、近畿大学東大阪キャンパス(大阪府東大阪市)の事務部門に、クラウド型PBX(構内電話交換機)システム「AQStageクラウドPBX」を提供したと発表した。提供した時期は昨年12月。近畿大の同部門は現在、外線の転送や内線の接続などの役割を、実機のPBXではなくクラウド上のソフトウェアに任せ、利便性を高めているという。
AQStageクラウドPBXは、基本的なPBX機能を提供する他、PCやBYOD(私物端末の業務利用)と連携する点が特徴。PCで通話内容を自動録音する機能も持ち、聞き漏らしや連絡ミスを防止できる。
近畿大東大阪キャンパスの事務部門は一連の機能を利用し、業務用PCにヘッドセットを接続した形での電話対応をスタートしている。PC上のアプリで受電・架電できる他、手をふさがずに通話できるため、電話対応時に作業を止める手間を解消できたという。
同部門はクラウド型PBXの導入を機にBYODも始め、私用スマホでの内線の受電・架電を可能にしている。職員が外出先から内線を利用できる他、連絡先をクラウド型の電話帳に登録し、ローカル環境に保存しないことで、紛失時に個人情報が流出するリスクを低減している。
近畿大はこれまでも、学内の業務システム基盤にAmazon Web Services(AWS)を導入したり、教職員や学生の連絡手段にビジネスチャットツール「Slack」を活用したりと、クラウド活用を進めてきた。今後も取り組みを継続し、「東大阪キャンパスのフルクラウド化と、クラウド型PBXの他キャンパスへの展開を目指す」としている。
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