文科省の“子供1人にPC1台”施策、タイムリミットまで半年 現在の納品状況は2%
文部科学省が進めている「GIGAスクール構想」が、整備完了目標まで半年を切った。教育用端末が納品済みの自治体は全体の2%にとどまるが、年度内にほとんどの小中学生にPCを配布できるとしている。
文部科学省が主導して進めている“子供1人にPC1台”施策「GIGAスクール構想」が、2020年度末の整備完了目標まで半年を切った。教育用端末が納品済みの自治体は全体の2%にとどまるが、同省は年度内にほとんどの小中学生にPCを配布できるとしている。
GIGAスクール構想とは、児童・生徒一人一人に合わせた教育の実現に向け、小中学生1人あたり1台のPC配布や、学校の通信環境の整備などを目指す取り組み。
文部科学省によると、8月末の時点で教育用端末の仕入れ先となる事業者の選定を終えている自治体は全体の48.4%。残る49%も年内には選定を終える見込み。
一方で、実際に端末が納品された自治体は2%にとどまり、納品完了時期が21年1月以降になる自治体が70.2%を占める。7つの自治体では20年度中に納品が間に合わない可能性がある。
GIGAスクール構想は当初、23年度までの実現を予定していた。その後、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校やオンライン授業の広がりで教育用端末の需要が高まったため、実現目標を20年度中に繰り上げた。
4月に予算が確定してから各自治体が急ピッチで端末の導入を進めている。卒業が迫る小学校6年生や中学校3年生、自宅にPCがない子供など、端末の必要性が高い人に先行して配布するなどの工夫もみられる。
教育用の通信環境の整備は、端末よりも進捗(しんちょく)が遅れているという。そうした中で、子供の教育を受ける権利を保障できるよう「年度内の整備に向けて自治体や通信事業者などに働きかけていく」(同省)としている。
関連記事
- 「子ども1人にPC1台」の狙い 文科省が“標準スペックPC”でさせたいこと
文部科学省が進めているGIGAスクール構想では、小中学生1人につきPC1台を用意する方針を打ち出している。文部科学省は学習用個人PCで子どもたちに何をさせたいのか、具体的な活用例を聞いた。 - スペック低くても「問題ない」 日本マイクロソフト、文科省“子ども1人にPC1台”対応パッケージ提供
日本マイクロソフトは「GIGAスクールパッケージ」を発売した。文部科学省の掲げる“子ども1人にPC1台”施策に準拠した教育用PCやクラウドサービスなどを通常より低価格で提供する。 - 楽天モバイル、学校に無償で光回線提供 基地局を敷地内に設置が条件
楽天モバイルは「GIGAスクール構想支援プラン」の受付を始めた。敷地内に楽天モバイルの基地局を設置した学校を対象に、学校までの光回線を無償提供する。学校の通信環境構築を支援し、同時に自社基地局の整備を押し進める。 - 香川県のゲーム規制条例、高校生がきょうにも県を提訴へ
「香川県が4月に施行した『ネット・ゲーム依存症対策条例』は違憲」として、同県の高校生が県を相手取り、9月30日に高松地方裁判所へ提訴する見込みだ。 - 香川県10代のゲームプレイ時間、ネット・ゲーム規制条例施行後はどうなった? 利用状況が明らかに
香川県の10代のゲームプレイ時間は、ネット・ゲーム依存症対策条例が可決されてから落ち込んだものの、政府の非常事態宣言発令後はそれまで以上に伸びているとする調査結果を、調査会社が発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.