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NVIDIA、AIで新型コロナ患者を“トリアージ” 初診データから酸素供給の必要性を推定
米NVIDIAと米国の病院の研究チームは、新型コロナウイルス感染症患者が数時間後から数日後に酸素の供給を必要とするか判断するAIを開発したと発表した。
米NVIDIAと米国の病院の研究チームは10月5日(米国時間)、新型コロナウイルス感染症患者が、初診の数時間後から数日後に酸素吸入を必要とするか判断するAIを開発したと発表した。
「CORISK」と名付けられたこのAIは、米マサチューセッツ総合ブリガム病院の研究者が初めに開発したもの。初診時のX線による胸部診断画像と心拍数・呼吸・血圧などの記録データを組み合わせることで、治療の優先度を決める「トリアージ」のように、その患者が酸素を必要とするレベルを判定できるという。「患者への適切な処置を医師が決める際の手助けになるもの」(NVIDIA)としている。
AIの信頼性を高めるため、NVIDIAと同病院は世界中の病院に呼び掛け、20の病院がAIモデル開発に参加。モデルの精度は0.94(最大で1)に達し、優れた予測が可能になったとしている。
同AIの開発には、NVIDIAの医療診断向けAI開発プラットフォーム「NVIDIA Clara」を利用。開発に参加した各病院が患者から得られたデータセットをClaraにアップロードし、クラウド上でモデルを訓練することで精度を改善できたという。
NVIDIAは、学習済みのモデルを数週間後にNVIDIA Claraに公開するとしている。
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