Microsoft、(AppleとGoogleに対して)アプリストアのお手本を示す
Apple(とGoogle)のアプリストアに対する開発者からの批判が高まる中、Microsoftがアプリストアとしてあるべき10の原則を発表し、Microsoft Storeはこの原則を採択したと発表した。競合するアプリストアの存在を認め、自社アプリを特別扱いしないなどの項目がある。
米Microsoftは10月8日(現地時間)、アプリストアの10の原則を発表した。同社のWindowsアプリのアプリストア「Microsoft Store」はこの原則に沿っているという。
「アプリ開発者にとって、アプリストアはデジタルプラットフォームへの重要なゲートウェイだ。開発者やわれわれは、Microsoft Store以外のデジタルプラットフォーム(米AppleのApp Storeと米GoogleのGoogle Play Storeを指すとみられる)について、懸念を表明してきた。だが、一歩踏み込んで、アプリのあるべき姿について説明するべきであると気づいた。そこで、CAFの考え方に基づくアプリストアの10の原則を採択した」とMicrosoftは説明する。
CAFとは、米Epic GamesやスウェーデンSpotifyなど、米Appleのアプリストア(App Store)のガイドラインに不満を持つ複数のアプリメーカーが9月に立ち上げたアプリストアにおける公平性を実現するための連合「Coalition for App Fairness」のことだ。CAFもアプリストアの10原則を掲げている。
Microsoft Storeの10原則はCAFのものとほぼ同じだが文言や順番は異なる。例えば、競合するアプリストアの存在を認め、自社アプリを特別扱いせず、アプリ内で何をするかを開発者が決められるようにするとある。
ちなみに、AppleのApp Storeで問題になっている決済時の手数料は、Microsoft StoreでもApple、Googleと同じ30%だ。
なお、MicrosoftはゲームのXboxでもアプリストアを運営しているが、こちらにはこの原則を適用しない。その理由を、ゲーム機が特定の用途に最適化された特殊な端末であり、PCやスマートフォンのエコシステムとはビジネスモデルが大きく異るからと説明している。
Microsoftは、開発者と人気のあるプラットフォームのオーナーが、利益のバランスをとる方法について公開討論を行うべきだと主張した。「Windows 10のMicrosoft Storeに10原則を適用したことは、その最初のステップであり、幅広いコミュニティからのフィードバックを待っている」という。
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