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50%薄型化した「空中ディスプレイ」、凸版印刷が開発 壁の埋め込みも可能に
凸版印刷が薄型の空中ディスプレイを発表した。従来品と比べ筐体を50%薄くし、設置場所の奥行きが不要になったという。12月からサンプル品の提供を始め、2022年の量産化を目指す。
凸版印刷は10月12日、従来品と比べ筐体を50%薄くした空中ディスプレイを発表した。薄型化したことで設置場所の奥行きを取らず、壁面などにも設置できるという。12月からサンプル品の提供を始め、2022年の量産化を目指す。
映像が空中に現れ、手で触れるように操作するディスプレイ。液晶パネルから出射された光を特殊な形状の鏡で反射させることにより、空中に光を集め、実像(空中映像)を結像する。
新製品では液晶パネルと平行に空中映像を映すことに成功。従来方式では筐体内部に約45度の傾斜をつけて液晶パネルを設置する必要があったため、設置場所に奥行きを必要としていたが、今回の方式ではその必要がないため、約半分の奥行きにできたという。搭載した赤外線センサーやToFセンサーで空中の動作を認識し、ぬれた手や手袋、ペンなどでも操作できるとしている。
独自の液晶技術と光学設計技術により同社従来品と比べ約5倍の輝度を持ち、ゴースト像の少ない鮮明な空中映像を生成。視野角は左右15度で正面以外からは映像が見えづらく、暗証番号などの盗み見を防止するとしている。
医療用機器、公共施設の設備操作盤などへの採用を想定する。21年に量産試作を経て、22年に量産化し20億円の売り上げを目指す。
液晶パネルは7インチ、解像度は800×480ピクセル。本体サイズは285(幅)×285(高さ)×60(奥行き)mm、重さは1.9kg。
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