明るく高コントラストの「空中ディスプレイ」、マクセルが開発 感染症予防に
空中に映像が現れ、触れるようにして操作できる空中ディスプレイ「AFID」をマクセルが開発した。感染症予防に有効な非接触型インタフェースとして2021年に市場投入する。
マクセルホールディングスは7月27日、映像が空中に現れ、触れるように操作する空中ディスプレイ「AFID」(Advanced Floating Image Display)を発表した。明るく高コントラストの映像を表示し、タブレット端末並みの精度で操作できるという。感染症予防に有効な非接触型インタフェースとして2021年に市場投入する。
マクセルが独自に開発した液晶ディスプレイ技術「LLIS」(Laser Like Image Source)と日本カーバイド工業の光学部材を組み合わせた再帰反射式の空中ディスプレイ。光が入射した方向へ戻る再帰反射現象を利用し、専用のリフレクターやビームスプリッターで空中に光を集め、結像する仕組みだ。
マクセルのLLISは、LCD(液晶ディスプレイ)が発する光の方向を制御し、再帰反射に適した映像光を生成する。これにより光のロスを抑え、明るく(2000nt)、高コントラスト(コントラスト比1200:1)の空中映像が作れるという。解像度は1920×1200ピクセルまで対応する。
センサーと組み合わせれば、空中に結像したスイッチやアイコンをタブレット端末のように操作するHMI(Human Machine Interface)ができる。画面に直接触れる必要がないため、医療機関や金融機関など不特定多数の人々が利用する場所の感染症対策として需要が見込めるという。
マクセルでは21年の市場投入に先立ち、年内に市場調査を行う。また開発中の3D映像表示技術と組み合わせ、デジタルサイネージや車内映像表示システムとしての市場も開拓するとしている。
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