AIがバス運転手のスキルを可視化 運行データの蓄積で事故防止、NTTドコモと神戸市などが実証実験
NTTドコモと神戸市などは市営バスでAI付きのドライブレコーダーを使った実証実験を開始した。運転手の運転スキルをAIが点数化したり、運行状況をリアルタイムに可視化したりすることで事故防止につなげるという。
NTTドコモと神戸市などは10月12日、市営バスでAI付きのドライブレコーダーを使い、バスの運行や運転の状況をリアルタイムにモニタリングする実験を行うと発表した。運転手の人材不足や高齢化が課題となる中、ドライブレコーダーの各種センサーなどから得られたデータを分析・可視化することで、安全なバスの運行に役立てたいとしている。神戸市によると、バスへの導入は全国初になるという。
実験には、ドコモ・システムズの運行管理システム「docoですcar」を活用。車内に設置したドライブレコーダーのセンサーが、運転状況や運転手の動きなどをリアルタイムで感知する。運行終了後、運転手の運転スキルをAIが点数化し、クラウドに蓄積。例えば、ブレーキの回数やアクセルを踏んだ場所などをAIが解析し、運転手の癖を可視化することで安全運転の教育や研修につなげるという。
位置情報と併せて、天候や道路状況、時間帯、乗客の密集などのデータも収集する。神戸市の担当者は「事故は運転手がイライラしているときなど感情に変化がある時に発生することが多い」としており、事故の原因の分析などにも役立てたいとしている。
AI付きのドライブレコーダーは三宮駅前〜阪急六甲間を結ぶバスなど6台に導入する。実験期間は2020年10月12日から2021年1月31日まで。実験結果から課題を検証し、本格導入を目指す方針。
神戸市営バスでは、運転手の高齢化が大きな課題となっている。2019年4月にはJR三ノ宮駅前でバスを運転する高齢ドライバーがアクセルとブレーキを踏み間違え、バスが暴走する事件が発生。歩行中の男女2人が死亡し、バスを運転していた男性は自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪で禁固3年6カ月の判決を受けている。
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