5G目当てにiPhone 12を買うのはアリ? 5Gは今どこで使える? 国内事情を徹底チェック(1/2 ページ)
iPhoneで初となる5G対応のiPhone 12シリーズが発表された。5G目当てで新しいiPhoneを選ぶという行為に意味はあるのだろうか。日本での5G関連の動向を踏まえ考えてみる。
「今日はiPhoneにとって新しい時代の幕開けとなる日だ」――iPhoneで初となる5G対応のiPhone 12シリーズの発表会冒頭、米Appleのティム・クックCEOは高らかに宣言した。
だが、実際のところ5GでiPhoneは変わるのか。そして、5G目当てで新しいiPhoneを選ぶという行為に意味はあるのだろうか。日本での5G関連の動向を踏まえて考えてみよう。
5Gサービス開始から半年 つながる場所はまだまだ限定的
結論から言ってしまおう。5Gのため“だけ”を理由に新しいiPhoneを選ぶのはオススメしない。あくまでiPhone 12のデサインや機能が魅力的に思えるかどうかで判断した方が良い。
というのも、国内キャリアの5Gネットワークは、モバイル通信として満足に使えるほどのエリア展開に達していないからだ。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアは、3月に5Gサービスをスタートした。楽天は新型コロナの流行を受けてサービスインが遅れたが、9月末に既存のプランをアップデートするかたちで5Gサービスを開始した。
まずは、iPhone 12シリーズが発表された10月14日時点の各キャリアのサービスエリア展開を見てみよう。5Gは都市部から徐々に展開されていくため、ここでは東京都で5Gが使えるエリアを調べてみる。
まずはNTTドコモから。ドコモは5Gのサービスエリアマップを公開していない。代わりに「スポット一覧」をWebサイトで公表している。関東・甲信越エリアを選ぶと5Gが使える場所がずらずらと表示される。
11月末時点に東京都で使えるスポットとして公表されているのは92カ所だ。だが、その過半数に及ぶ57カ所はドコモショップ店舗内をエリア化したものだ。仮に高速な通信が使えたとしても、店を出てしまえば4G(LTE)エリアに戻ってしまうため、あまり意味がない。主要駅周辺では、JR山手線の上野駅や東京駅、新宿駅など8駅の駅前で5Gスポット化が展開されている。
KDDIは、5Gのサービスエリアマップを公開している。地図上では関東全域がオレンジ色に塗り尽くされているが、これは5Gスマホでつながる4G(LTE)エリアの表示だ。地図を注意深く観察すると、8月末時点の5Gエリアが赤色で、秋以降に展開予定の地点が黄色い点で、それぞれ表示されているのが分かる。都心を見ると山手線周辺には赤色の点が散在し、山手線中心に基地局を展開しているのが分かる。特にKDDIが自治体と5G関連の共同プロジェクトを進めている渋谷区では、渋谷駅の周辺に塗りつぶすようにエリア展開を進めているのが見て取れる。
ソフトバンクも5Gエリアのマップを公開している。見てみると、都心では豊洲や晴海エリアで積極的に展開しているのが分かる。KDDIと違い、点では無く、地図に沿うように塗りつぶしている。
最後に楽天モバイルもチェックしよう。同社は9月に5Gサービスを開始したが、山田善久社長いわく「5Gのサービス開始時の展開は他社と遜色がない」という。だが、実際に公開されている5Gスポット一覧を見ると、全国で21カ所。都内では楽天モバイルの本社がある世田谷区の二子玉川周辺にスポットが集中している。都内14カ所中13カ所が世田谷区だ。
キャリア各社が公開している情報をチェックする限りでも、5Gエリアはまだ十分に広がっていないことは理解できるだろう。
それでは、実際にサービスエリアに出向いてみたら、5Gにつながるのか。検証してみよう。
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