「国家公務員に働き方改革を」 ネットで署名運動始まる 発起人にヤフー川邊社長、サイボウズ青野社長ら
官公庁に「国家公務員の働き方改革」を要求する署名運動が「change.org」で開始。労働環境のコンサルティングを手掛けるワーク・ライフバランス社が主導する。趣旨に賛同したZホールディングスの川邊健太郎社長、サイボウズの青野慶久社長らが発起人になっている。
労働環境のコンサルティングを手掛けるワーク・ライフバランス(東京都港区)は10月20日、官公庁に「国家公務員の働き方改革」を要求する署名運動を、署名サイト「change.org」で始めた。午後10時〜午前5時を完全に閉庁し、緊急の業務はテレワークで行うよう求めている。
発起人は同社の小室淑恵社長をはじめ、趣旨に賛同したZホールディングスの川邊健太郎社長、サイボウズの青野慶久社長、ドワンゴの夏野剛社長ら計19人。21日午後4時の時点で1000人超の署名が集まっている。
目標は約10万筆。年内の達成を目指し、性別、年齢、職種を問わず幅広い人々から署名を募るという。署名が集まった際の提出先は、内閣府特命担当大臣の河野太郎氏と各省庁の大臣を検討している。
ワーク・ライフバランスが署名運動を始めた背景には、官僚の長時間労働や、官公庁のデジタル化の遅れなどの問題がある。同社が8月に発表した現役国家公務員の働き方に関する調査結果によれば、回答者の4割が月間100時間超の残業をしていたという。対面での会議やファクスでの連絡を重視する文化が残っていることや、国会の想定問答集の作成が深夜に及んでいることも分かったとしている。
こうした状況の改善に向け、同社はchange.orgに寄せた声明文の中で、(1)国家公務員の残業代やタクシー代は税金の無駄遣いである、(2)官公庁のデジタル化の遅れはデジタル政策の遅れにつながる、(3)労働環境の影響で、国家を担う優秀な人材が流出する恐れがある――などと指摘。署名運動を通じて改善を求めるとしている。
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