AIで実在しないモデル画像を生成 広告効果に応じて容姿を変化 CAが新サービス
サイバーエージェントが、AIで実在しないモデルの画像を生成し、広告効果に応じてモデルの容姿や背景などを作り直せるサービスを11月から提供する。
サイバーエージェント(CA)は10月28日、AIで実在しないモデルの画像を生成し、広告効果に応じてモデルの容姿や背景などを変えるサービス「極予測AI人間」を11月から提供すると発表した。AIによって企業やブランドのイメージに適したモデルを生成し、広告効果に応じて表情や髪形などを変えることで、効果をさらに高めるという。
モデルの画像生成には、画像を生成するAIと画像を評価するAIを敵対させ、精度を向上させる技術「GAN」(敵対的生成ネットワーク)を利用。実在するモデルの画像を学習することで、架空のモデル画像を生成する。企業やブランドが想定するターゲットごとに、モデルの髪形、ポーズ、ファッション、背景を変えたり、外国籍のモデル画像を生成したりできるという。
広告の展開後、広告のクリック数や広告経由の資料請求数、広告のPV数などをAIに学習させ、髪形やファッションなどをアップデート。企業やブランドのイメージやターゲット層により合った、広告効果の高いモデルの画像をAIで作り直すという。特に、細かなターゲット設定が必要な人材、通販、金融業界などで効果が期待できるとしている。
サービス提供の理由についてCAは「コロナ禍で広告やプロモーションに必要な撮影が短縮・中止になり、撮影の時間や場所など多くの制約が続いているため」と説明。特に人物モデルの撮影は、モデルの選定、スケジュールの調整、撮影スタジオの用意などが難しく、企業は衣装や髪形、ポーズや背景が異なる広告を大量に制作しづらいという。
撮影環境や契約条件にとらわれず、モデルを起用した広告の制作や効果を測定できるサービスを提供し、企業の広告運用をサポートするとしている。
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