インタビュー
AIが生成した「架空のモデル」は人間の仕事を奪えるか? 実力を確かめてみた(1/2 ページ)
AIが「架空のモデル」を生成するサービスを筆者が体験。実在するモデルの仕事を奪えるか検証した結果、現時点ではいくつかの課題があることが分かった。
突然だが、この画像を見てほしい。これは、筆者の顔写真をAIが加工して作った架空の人物の画像だ。
筆者が使ったのは、実在する人物写真の顔部分をAIが加工して、架空のモデルの画像を生成する「INAI MODEL」というサービス。ストックフォトを手掛けるイメージナビがAIベンチャーのデータグリッドと共同開発したもので、実在のモデルにありがちなスキャンダルや契約関係のトラブルを気にせず広告やポスターに起用できるのが強みだという。
6月のサービス発表直後、Twitterでは「モデルや俳優がいなくなる日も近い」「AIに職を奪われる時代に突入する」などと、その可能性を評価する声が相次いだ。一方、ロボットやCGを人間に似せる際に、一定の水準を超えると人が強い嫌悪感を抱く「不気味の谷現象」が起きそうだという指摘もあり、賛否両論だった。
では、架空のモデルの完成度はどの程度なのか。
完成度はどの程度?
AIが加工した筆者の画像を元写真と比べると、目や鼻がややのっぺり気味に見えるが、遠目には違和感も少なかった。とはいえ、じっくり見ると肌質や影の具合に不自然さを感じた。
顔つき自体に不自然な点は少なく「こんな顔の人、いるかも」と思えるクオリティーだ。だが、さすがに筆者は見知った体に知らない顔が乗っているため若干の不気味さを感じた。
試しに少し明度を上げ、架空の社員証も作ってみた。こちらもじっくり見れば影に不自然さを感じるが、ぱっと見は覇気のない人物の社員証として通用しそうだ。
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