ソニーの2Q、増収増益に“鬼滅”貢献 PS5は初年度販売数で“PS4超え”目指す
ソニーが10月28日に発表した2021年3月期第2四半期累計(20年4月〜9月)の連結決算は増収増益だった。第2四半期にアニメ「鬼滅の刃」のストリーミング配信がヒットし、音楽事業が伸長したという。
ソニーが10月28日に発表した2021年3月期第2四半期累計(20年4月〜9月)の連結決算は、売上高が4兆824億500万円(前年同期比0.9%増)、営業利益が5461億5900万円(同7.1%増)、純利益が6928億8500万円(同2.0倍)と増収増益だった。第2四半期はアニメ「鬼滅の刃」のストリーミング配信がヒットし、音楽事業が伸長したという。
音楽事業の第2四半期の連結売上高は2309億円(前年同期比5%増)。鬼滅の刃をはじめとするストリーミング配信の増加に加え、アーティスト・米津玄師さんのアルバムなどパッケージメディア販売も貢献したという。
ソニーの十時裕樹副社長は、連結子会社のアニプレックスが制作・配給にかかわる映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」が公開から10日で興行収入100億円を突破したことに触れ、今後の成長にも期待を寄せた。「IP活用によるエンタテイメント事業間でのシナジー強化に、さらなる貢献を期待する」と話した。
一方で半導体事業や映画事業は不調だった。半導体事業の7〜9月期単体の連結業績は、売上高が3071億円(前年同期比1%減)、営業利益は265億円の大幅減益。米中貿易摩擦が影響し、モバイル機器向けイメージセンサーなどが足を引っ張った。映画事業は、コロナ禍の影響が続き、売上高は1923億円(同26%減)にとどまった。
ゲーム事業は好調で、音楽事業とともに他事業の不調をカバーした。7〜9月期単体の連結業績は売上高が5066億円(前年同期比11%増)で、ゲームソフト「Ghost of Tsushima」のヒットが貢献したという。今後は次世代ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)発売によるゲームソフトの販売数増加などを見込む。
ゲーム事業や音楽事業の好調を受け、20年3月期通期連結業績予想は上方修正する。修正後の見通しは、売上高が8兆5000億円(前期比2.9%増)、営業利益が7000億円(同17.2%減)、純利益を8000億円(同37.4%増)。
十時副社長によれば、ゲーム事業では今後、PS5による顧客の拡大を戦略の柱にするという。初年度販売数は「PlayStation 4」以上の実績(760万台)を、累計販売数は1億台を目指す。中長期的には「ネットワークサービスの要素を強化し、継続的な収益の成長を加速させる」とし、21年以降は顧客拡大とともに収益力の強化にも注力する考えだ。
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