メルカリの1Q、最終黒字42億円 メルペイと米国事業への投資を抑制
メルカリが2021年6月期第1四半期(20年7〜9月)の連結決算を発表。最終損益が42億8100万円の黒字(前年同期は71億1300万円の赤字)に転換した。米国メルカリ事業やメルペイへの投資を抑えたことが黒字転換につながった。
メルカリが10月30日に発表した2021年6月期第1四半期(20年7〜9月)の連結決算は、売上高が221億5600万円(前年同期比52.3%増)、営業損益が3億6400万円の黒字(前年同期は70億1000万円の赤字)、最終損益が42億8100万円の黒字(同71億1300万円の赤字)と増収増益だった。
国内メルカリ事業が堅調に推移したことや、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、米国メルカリ事業やモバイル決済サービス「メルペイ」への投資を抑えたことが黒字転換につながった。ただし、今後は「投資の再加速によって赤字になる可能性がある」としている。
国内メルカリ事業は堅調も、前四半期からの成長は鈍化
国内メルカリ事業の売上高は159億円(前年同期比33.0%増)、営業利益は46億円(同2.2倍)。MAU(月間アクティブユーザー数)は1755万人(同21.0%増)、GMV(流通総額)は1706億円(同34.0%増)に拡大した。
ただし、前期の第4四半期(MAUは1745万人、GMVは1804億円)からMAUは微増にとどまり、GMVは減少した。その理由についてメルカリは「新型コロナウイルスの影響(による巣ごもり需要)が落ち着きを見せたため」などと説明している。
今後は、NTTドコモの「dアカウント」と「メルカリID」の共通化による、ユーザーへの「dポイント」付与に引き続き注力。初心者に使い方を教える「メルカリ教室」もオンラインで積極的に行い、ユーザー増を目指すという。
米国メルカリ事業はGMVが2.6倍に
米国メルカリ事業の業績は非公開としたが、GMVが前年同期比2.6倍の307億円に伸長した。収益化に向けて、10月からは新規の出品に決済手数料を課しており、11月からは全ての出品に対象を広げる予定だ。
投資の再開時期は検討中。「規律を保ちつつ高い成長を実現できるのであれば投資を再加速する」としている。
メルペイはユーザー数が800万人に
メルペイのユーザー数は10月5日時点で800万人。大規模な還元策を控え、加盟店で使える割引クーポンの配布などに切り替えたが「利用頻度・利用額ともにネガティブなインパクトはない」としている。
今後は手数料収入の増加に向け、支払いオプション「定額払い」のユーザー獲得を目指す。今秋、メルペイのアカウントを他人のゆうちょ銀行口座と連携し、不正に出金する事件が起きたことを踏まえ、セキュリティ対策に約20億円を投資する計画もあるという。
通期業績予想は「戦略的な投資により、連結業績を見通すことが困難」として開示しなかった。
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