検索
ニュース

M1の異常な性能 または私は如何にしてiPhoneを毎年更新するのを止めてApple Silicon Mac miniを買うようになったかCloseBox(2/3 ページ)

M1搭載Mac miniがやってきたので早速感想文を書いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena

なぜ私はiPhone 12を買うのをやめたのか

 Apple Watch Series 6は購入した。Series 3から毎年買い替えているのだが、今年はコロナ禍ということもあり、健康には従来以上に気をつけておく必要があると感じ、血中酸素濃度も測れるしなあ、と更新した(心電図はまだ来ないけど)。

 なぜiPhone 12を買わなかったかというと、そもそもiPhoneを持ち歩くことが少なくなってきたからだ。毎朝のウォーキング(1時間くらい)では、Suica/PASMOではない買い物の予定がある場合を除き、Apple Watchだけ手首に巻き付けて出かける。財布も持たない。どうせ自宅から数キロ圏内しか移動しないし、音楽も、電子マネーも、地図も、シェアサイクルも、電車ですらこれだけで事足りるのだ。それだけ周辺の環境が整備されたということでもある。

 iPhone 11はQi充電が動作しなくなって交換したり、やはり有機ELじゃないと画面がくすんで見えるよね、というのを別にすれば性能的な不満はない。UWBによってデバイスの位置を高い精度で探せるという触れ込みの「U1チップ」が結局能力を全く発揮していないというのはあるけれど。性能で言えばむしろその前のiPhone XS Maxで十分なのだ。今は、部屋を移動するのにiPhoneを持ち歩くのも面倒くさいので、1階にはiPhone 11を、2階にはWi-Fi運用のiPhone XS Maxを置いている。iCloud経由の同期のおかげで、どちらも同じように使えている。iPhone 11でないときの電話はApple Watchで受け取っているので全く問題ない。

 iPhoneを買わなかったその分は、自宅のコンピュータ環境の整備に回した。まずはネットワークを強化し、ソフトバンク光を導入。ギガビットの回線となり、細く不安定なケーブルネット回線から脱却できた。次はコンピューティングパワーの方だ。Appleは6月のWWDCで、年内にApple Silicon Macを出すということを宣言していた。ならば、我が家のわずかながらのリソースを投じる先はパワーアップしたMacにしよう。iPhone 12発表前にそう決めていた。

photo
iPhone 12ファミリー、魅力的ではあるんだけど

 自分がリビングで使っているメインマシンはiMac 4K 21.5インチで2017年生まれ。3年前のモデルだ。これまで2回ほどFusion Driveが壊れたが、外付けSSDに起動ドライブを移して何とかしのいでいる。パワーには十分満足している。iMovieやDaVinci Resolveを使ったビデオ編集は、曲がりなりにもディスクリートGPUが入っていることもあり、Fusion 360などの3Dグラフィックスも、ゲーミングPCと比べて特に非力さは感じない。

 これとは別に、寝室に2018年モデルのMacBook Airを置き、HKCという中国メーカーの廉価な湾曲34インチゲーミングディスプレイにつなげている。こちらは21:9の1440pで、4Kではないものの画面は広く没入感が高い。環境としてはいいのだが、Intel Core i5、デュアルコアで1.6GHzのMacBook Air 2018年モデルは非力すぎて、Safari、テキストエディタのJedit、Slack、Messenger、Discordを動かすのが精一杯。ちょっと馬力のいる仕事を与えると、すぐにファンが悲鳴を上げる。ムービー編集などは全てのタスクを終わらせてもまだ処理させるのは無理がある。

 ビデオ会議というのはなかなかコンピュータリソースを食う。双方のビデオデータを送り、互いの画面に映し出すだけでなく、ドキュメントを共有してオーバーレイしたり、さらに画面や音声にエフェクトをつけたりする、使うPCには高性能を要求するものだ。そういえば、MacBook Airではグリーンバックのオプションすら出てこなかった。

 そんな状態では趣味の音楽制作も思う存分できない。僕はLogic Proでボーカルを入れて妻の歌声とデュエットしたり、iPad ProのGarageBandでラフトラックを作ったオケをLogicに読み込んで仕上げたりするのを生きがいとしているのだが、そこでちょっとヘビーなソフトシンセであるAlchemyを使ったり、ボーカルのピッチやタイミングを細かく調整しようとすると、負荷を支えられなくなることが度々。Logicがクルクル虹を回す状態を多く目撃し、その結果、MacBook AirでLogicを使うことは少なくなり、リビングでiMacを使うようになった。

 Logic Proの兄弟的存在のMainStage 3というApple純正ソフトがある。主にライブ演奏用で、さまざまな楽器、キーボードの音色を選び、接続したMIDIキーボードで演奏できる。ギターをつなげば、エフェクターボード+アンプにもなる。Macを楽器に変えてしまう、手頃なApple純正ソフト。ライブで使っているミュージシャンも多い。

 僕のお気に入りでもあるのだが、これを気軽に立ち上げていられるだけの余裕はMacBook Airにはないことが使っているうちに分かってきた。仕事中にFender Rhodesの音を転がすと気が休まるのだが、そんな余裕はない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る