小説版ドラクエ著者、新たにスクエニ・東宝などを提訴 「主人公の名前を盗用された」
ゲーム「ドラゴンクエスト」のノベライズを担当した小説家、久美沙織さんが、小説に登場する主人公の名前と称号が無断で使われたとして、映画スクウェア・エニックスや東宝などを提訴した。
スクウェア・エニックスのゲーム「ドラゴンクエスト」のノベライズを担当した小説家、久美沙織さんは11月26日、小説に登場する主人公の名前と称号が無断で使われたとして、映画「DRAGON QUEST YOUR STORY」の製作に関わるスクエニや東宝などを提訴したと発表した。
久美さんは、執筆した小説版「小説ドラゴンクエスト」に登場する主人公を「リュカ」と命名。リュカの称号「リュケイロム・エル・ケル・グランバニア」も創作した。原作ゲームは主人公の名前をプレイヤーが自由に付けられるシステムで、リュカの名前や称号は久美さんのオリジナルとなる。
久美さんによると、映画の製作委員会は主人公の名前として「リュカ」を事前の説明無く無断で使っており、称号は「リュカ・エル・ケル・グランバニア」と改変しているという。
これを受け久美さんは長野地方裁判所に訴状を提出。スクエニや東宝などを相手取り、200万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた。担当弁護士は小説執筆経験のある河野冬樹弁護士。
久美さんは、クラウドファンディングで裁判費用を調達。167人の支援者から111万1000円を集めた。プロジェクトページでは「お金を掛けないでも戦えるという事例を作りたい」としている。
久美さんは名前の無断使用について、「DRAGON QUEST YOUR STORY」の製作委員会を相手取り、2019年8月には名誉毀損(きそん)で民事訴訟、12月には詐欺や不正競争防止法違反、著作権法違反などの疑いで刑事告訴している。
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